不透明感が漂う現代社会の先行きに、様々な不安を抱え、こころを病む人が増えています。また、社会的要因とは別に、その人自身の資質や身体的要因が不安を引き起こすこともあるようで、程度が進むと、不安を主症状とする精神障害、つまりは不安障害を引き起こすようになるようです。かつて神経症と呼ばれていた不安障害は現在では、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、社会不安障害(社会恐怖)、広場恐怖といった病態に分けられ、薬物療法や心理療法といった適切な治療法を行うことで回復する精神障害です。ここに挙げた本は、回復へと向かう第一歩となるものばかりで、不安に悩む方にはすぐに参考になるものを集めてみました。
『不安や心配を克服するためのプログラム:患者さん用ワークブック』を使いこなしたい治療者のためのガイドブック。全般性不安障害をもつ人やその傾向のある人のための,認知行動療法を使った治療プログラムを実践する。
マインドフルネスは、「今、この瞬間」の経験をありのまま受け容れて自己を思いやる気づきのスキルである。マインドフルネスによる慢性的不安への対処法を、豊富な症例とエクササイズで身につける。
「心配性だ」「すぐ緊張してしまう」と悩んでいる人,不安でやるべきことが手につかない人など,全般性不安障害(全般不安症)をもつ人やその傾向のある人が,認知行動療法による対処方法を学べる。
からだの気づきを用いた画期的なトラウマ・ケアとして注目を集めているソマティック・エクスペリエンシングの創始者ラヴィーンによる初めての理論的解説書。読者をトラウマ治療の核心に導く。
医師にも薬にも頼らず強迫性障害を克服した著者が、同じ障害に苦しむ人々に捧げる40の鉄則。自他の体験をもとに、強迫性障害とどのように付き合い、対処し、乗り越えていけばよいかを教えてくれる。
本書は、不安障害で苦しんでいる人に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーという心理療法について、その実際の面接の始まりから終わりまでを描いたガイドラインである。
心の平和を唯一の目的にして自分で心の姿勢を選び取っていくアティテューディナル・ヒーリング(AH)。そのファシリテーター・トレーニングの実録。ファシリテーターになっても、「相手のため」ではなく「自分の心の平和のため」と専心することで、あたたかい癒しの空間が広がる。AHの学びを深めたい人だけでなく、燃え尽きを防止したい、さらに効果的な働きかけをしたい、あらゆる治療者やカウンセラーにもお勧め。→DVD同時発売!
心の平和を唯一の目的にして自分で心の姿勢を選び取っていくアティテューディナル・ヒーリング(AH)。そのファシリテーター養成のためのグループ練習法をDVD版にて紹介。AHの中心的考え、AHグループを進める工夫、トラブル解決法などを、ファシリテーター体験を通して学ぶことができる。AHの学びを深めたい人、あらゆる治療者やカウンセラーにお勧め。
本書において著者は、精神療法の実践から不安障害を捉えなおす。輸入された学説ではなく、永年にわたる臨床経験から自前の論が展開されている。心理的視点と社会的視点、薬物療法と精神療法の統合など、さまざまな視点からは、「不安障害における回復の主体は患者自身であり、自己回復を援助する方法を探る」という著者の治療スタンスが鮮明に浮かび上がってくる。
アメリカで生まれた「アティテューディナル・ヒーリング」にはルールがありません。あるのは「原則」のみ。そのゆるやかな原則は、こころの平和を求める人、こころを安定させて豊かな人間関係を築きたいと思っている人、また自分を好きになりたいと切望する人の新たな道しるべとなります。
生還した生徒たちは、どんな心の傷を負い、どのように回復したのか。その軌跡をケアの視点から追う。医療・福祉・教育などの様々な現場で、被災者や被害者、遺族の支援に携わっている全ての援助者に捧げる書。
パニック障害と広場恐怖について、精神科医及び臨床心理士に向けた治療者向けの内容が充実。最後の章に、治療を受ける際の手引き書として患者さん向けのマニュアルを収録。
強迫性障害とPTSDについて、精神科医及び臨床心理士に向けた治療者向けの内容が充実。最後の章に、治療を受ける際の手引き書として患者さん向けのマニュアルを収録。