http://www.seiwa-pb.co.jp/htmlmail/97.html
星和書店
心のケアチーム向け〈災害対応資料〉
提供:新潟大学精神科教授 染矢俊幸先生
新潟県地震の時に、新潟大学で作られた災害対策マニュアルです。避難所でお配りするパンフレット類なども含まれています。こちらから↓ダウンロードしてお使いください。
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精神障害と回復

精神障害と回復

リバーマンのリハビリテーション・マニュアル

ロバート・ポール・リバーマン 著
西園昌久 総監修 池淵恵美 監訳 SST普及協会 訳
B5判 並製 492頁  ISBN978-4-7911-0765-0〔2011〕
定価 6,930円(本体6,600円)

SSTの創始者として名高いリバーマン博士による精神障害リハビリテーションの集大成が,SST普及協会の総力を結集して,ここに邦訳された。リカバリー概念を中核とした心理社会的リハビリテーションの体系的理論書であるとともに,有効で心のこもった支援を提供するための最新技術が獲得できる実践マニュアルである。著者の強い信念に貫かれ,リハビリテーションのあるべき未来を見据えた「生きた教科書」。

メチルフェニデート徐放錠を用いたADHDの薬物療法と心理社会的治療

メチルフェニデート徐放錠を用いた
ADHDの薬物療法と心理社会的治療

メチルフェニデート徐放錠によるADHDの治療、
心理社会的療法、症例を加えた実践書

岡田 俊、山下裕史朗 著
A5判 上製 232頁 ISBN978-4-7911-0759-9〔2011〕
定価2,940円(本体2,800円)

メチルフェニデート徐放錠は、浸透性徐放効果経口送出システムを用いたハイテク製剤であり、わが国で初めて小児の精神疾患にプラセボ二重盲検比較試験を経て承認された。薬の溶解・放出が厳密に制御され、小児期の注意欠如・多動性障害(ADHD)の中核症状に著効を示し、効果は12時間維持、しかも依存リスクが軽減されている。「臨床精神薬理」に連載された「メチルフェニデート徐放錠を使いこなす」を加筆、修正し、心理社会的則面と症例は新たに執筆。今日のエビデンスを余すところなく網羅した実践の書!!

集団認知行動療法実践マニュアル

集団認知行動療法実践マニュアル

集団CBTの臨床最前線

中島美鈴、奥村泰之 編
関東集団認知行動療法研究会 著
A5判 並製 212頁 ISBN978-4-7911-0764-3〔2011〕
定価2,520円(本体2,400円)

集団認知行動療法(集団CBT)がどんなものか知りたい人、集団CBTを始めたい人、もっと有効に関わりたいという意欲をもっている集団CBT実践者――、すべての人に推薦できる書。集団CBTの定義、エビデンス、今後の課題という理論編から、実際に集団CBTのプログラムを立ち上げるまでの具体的なノウハウ、導入例、各施設で行われている具体例、現場で遭遇する困難例とその解決策などの実践編まで、"かゆいところに手が届く"集団CBTガイドブック。欧米での豊富な実践例に比べてわが国ではまだ浸透しているとは言えない集団CBTを広めたいという筆者らの熱意を感じる一冊。

行動分析学研究アンソロジー2010

行動分析学研究アンソロジー2010

行動分析学初学者のために編纂された論文集

〔編〕日本行動分析学会
〔責任編集〕藤健一、望月昭、武藤崇、青山謙二郎
B5判 並製 320頁 ISBN978-4-7911-0763-6〔2011〕
定価3,675円(本体3,500円)

日本行動分析学会創立30周年を記念して刊行された。
日本行動分析学会の学会誌「行動分析学研究」から珠玉の論文21編を集め、新たに論文へのコメントを追加した。行動分析学初学者の「行動分析学的な研究とはどのようなものか」という問いに具体的に答えるために編纂された一冊である。テーマは哲学、理論、基礎実験、応用実験、実践と多岐にわたる。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第26巻3号

特集:認知行動療法と伝統的精神療法の共存と住み分け

認知行動療法はその豊富なエビデンスにより、いまやうつ病や不安障害の治療に欠かせない技法の一つとして定着している。しかし一方で精神分析的精神療法をはじめとする、いわゆる伝統的精神療法もまた、有効性を失ってはいない。認知行動療法と伝統的精神療法はいずれも今日の 精神科臨床に欠かせない治療技法である。本特集によりバランスのとれた治療の重要性を改めて浮き彫りにする。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第14巻4号

特集:強迫スペクトラム障害の薬物療法

強迫スペクトラム障害」は、強迫性と衝動性を両端に位置づけ、その間に、強迫性障害、心気症、摂食障害、チック障害、境界パーソナリティー障害、嗜癖などを位置づけたものである。本特集では、強迫性障害ならびにそれに関連した病態を、現在の生物学的エビデンスから再検討し、疾患の位置づけと治療の方向性を探った。
ISBN:978-4-7911-5162-2

こころのりんしょう à·la·carte
定価 1,680
季刊 こころのりんしょう à·la·carte 第30巻1号

特集:うつ病のお薬

夢の抗うつ薬といわれて華々しく登場したSSRI。その後続々と新しい抗うつ薬が発売されました。これらの新世代の抗うつ薬は医師や患者さんの期待に応えているのでしょうか。従来薬との使い分けは?本特集では、抗うつ薬の薬理作用から、副作用、服用の仕方まで、患者さんに本当に役立つ情報をQ&Aでわかりやすく解説。また第2部では、精神薬理学の専門家から精神療法家まで、幅広い視点から抗うつ薬を論じ、うつ病臨床の実際に即して、抗うつ薬の効果と限界について再考します。

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こころのマガジン
臨床心理士 あや先生のコラム 
Vol.5 揺れ動いた気持ち 〜震災からの一週間〜

これを書いている現在、3月11日の一回目の地震から一週間経ちましたが、まだ非日常的な空気の中で過ごしています。昨日も宮城県から呼吸が乱れるほど泣きながらの電話相談を受けました。病院も警察も急患対応で忙しく、その方も相当追い詰められている様子だったのですが、今はなんとか家で安静にしているか、心細ければ避難所へ行く以外、選択肢があまりないようでした。それでも電話で誰かと繋がることで少しはほっとできる、それに気がついて電話してくださって、本当によかったと思いました。

ところで地震当日、私は小田原で仕事をしていました。電車は止まり、ホテルはどこもいっぱいでどうしようかと思っていたら、ご親切に職場の方が私を含め、数人を泊めてくださいました。あの日、外に長時間いて風邪をひいたという話をたくさん聞き、改めてありがたかったと思います。

ネット上でも、そのような心温まる話がいくつも流れていて感動しました。

ただネットには、危険を知らせるニュースや、被害の大きさを知らせるニュースなど、見るのが精神的にきつい情報も同時に流れています。情報は必要なのですが、あまり見ているとショックが大きく、判断が冷静にできなくなりそうな自分を感じました。

このような時に、信頼できると思われる情報をキャッチすること、またそれを自分自身がどう理解し、判断して行動するか、とても難しいと思いました。

そしてその難しさの中で、ひとつひとつ自分の行動を決めていくうちに、何か言いようのない疲れが溜まってくるのを感じました。

危機対応に奔走している方や被災地にいる方々には申し訳ないような微々たる疲れなのですが、それでもいつもの私ではなく、平常心を保つにはどうしたらいいか、とても困ってしまいました。

とにかく緊張感を抜くこと、リラックスすることが必要、でもどうやって?……と思った時、大好きなマンガが目に留まりました。

私は普段からマンガが大好きで、気持ちを盛り上げるため、好奇心を満たすため、今回のようにリラックスするために、その時の気分に合ったマンガを取り揃えています。今のような気持ちで手にとって、少し平常心に戻れたのは『うごかし屋』(芳崎せいむ)でした。

このマンガは、引越屋を営む主人公が、引越を依頼する人の人生に触れ、その時に小説の一節と絡み合って、依頼人の心を動かす話が集められています。

第1巻には「人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからといって越す国はあるまい。」という夏目漱石の『草枕』が引用されていました。

原子力発電に対して様々な情報が錯綜する中、不安や恐れに揺れてしまうところが少なからずあったのですが、厳しい現実はしっかりと見据えるにしても、人が作ったこの世なんだ、私はそこに住んでいるんだと思うことで、何か腹が据わったのです。

今回、阪神大震災を経験された方からも多くの助言や支援が届きましたが、その中のおひとり、神戸元気村代表として復興支援されていた山田バウさんの話はとても迫力がありました。「何があっても全て経験、全て学び」。そう思うには辛すぎるようなことをたくさん経験された上で、きっぱりと言われるので凄みがありました。

そう言われて現実を改めて見てみると、Pray For Japanの心温まる映像や、自分たちにできることは何か一生懸命考えようとしている人々の姿、奪い合うのではなく分かち合おうと呼びかける声、……みんながとても大切なことを伝え合っているのがわかります。

今後私にできることは何か、するべきことは何か、考えると難しいのですが、まずは目の前の人に思いやりを持って接することを心掛けようと思います。ひとりでも笑顔になって、そしてその輪が広がって、温かい気持ちでいる人が増えていくことを願います。

当たり前に思っていた日常に感謝して、ありがとうの気持ちで行動したいと思います。

今大変な経験をしている方々が、一日でも早く落ち着いた日々を取り戻せますように、心から祈っています。

(尾方 文)
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