星和書店
こころのマガジン
Vol.42 2006.7
  • 雨による災害が続いております。(2006年7月)
    中井久夫先生が解説・翻訳した冊子「災害時のストレスマネジメント」(ロサンゼルス郡役所・精神保健部/著)が、若干部数残っておりますので、ご希望の方は、送り先(お名前、ご住所)を明記のうえ、120円切手を同封して、下記まで郵便でお申し込みください。
    〒156-0057 東京都世田谷区上北沢4-36-23
    星和書店ショールーム 「災害時のストレスマネジメント」係
  • Book Expo America に行ってきました。(2006年7月) →スライドショー
  • 心理学雑誌バックナンバーフェア(2006年7月)
    8月11日〜9月30日まで、ジュンク堂書店新宿店8Fフェアコーナーにて、心理学雑誌バックナンバーフェアを開催しています。弊社の「こころのりんしょうアラカルト」をはじめ、多くの出版社の心理学雑誌を集めた大規模なフェアです。新宿方面に行かれる際は、ぜひお立ち寄り下さい。
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★ ゆるゆる病棟。 佐藤順恒、山田 均 著
四六判 並製 304頁

ゆるゆる病棟。
定価1,995円

自分が入院してもいい、あるいはここなら家族を入れてもいいと思えるような病棟、気軽に誰でも受診できるような外来をめざし、医師と心理士が共同で立ち上げた「上尾の森診療所」。医師と心理士の対等な協力関係、有床診療所という稀な形態で、何を求め、どんな型破りな活動を行ってきたのか。今はじめて、波乱万丈、試行錯誤の11年の軌跡と思いを語る。精神、心理関係や患者、家族の方はもちろん、一般医療、福祉、行政、地域活動に関わる方にもおすすめの一冊。
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 雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価3,024円
★ 月刊 精神科治療学 第21巻7号
【特集】精神科医に必要な睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基礎知識 II
前号に続き,睡眠時無呼吸症候群(SAS)を特集。SASと各器官の疾患との関わり,歯科との連携,他の睡眠障害との鑑別,CPAPの使用法,就労とSASについて取り上げた。
臨床精神薬理
定価3,045円
★ 月刊 臨床精神薬理 第9巻8号
【特集】自殺防止を目指した薬物療法
自殺と最も関連の深いうつ病治療、自殺の現状と予防、救命救急医療の現場を紹介し、気分障害、統合失調症、パーソナリティ障害、アルコール依存症における自殺の特徴と自殺防止を目指した薬物療法を特集した。
季刊 精神科臨床サービス 第6巻3号季刊 こころのりんしょうa・la・carte
定価2,310円
★ 季刊 精神科臨床サービス 第6巻3号
【特集】面接の上達法
精神保健・医療・福祉の分野では、面接は主要な技法であり、あらゆる援助の基本である。援助者が面接という援助の基本技法を上達させることによって、精神科臨床サービスが向上することを願って本特集を企画した。
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トゥレット症候群(チック)とともにトゥレット症候群を理解し、共に生きるためのヒント

うつと感じたらうつの症状を自分自身で治療、克服するために役立つガイドブックを紹介します。

境界例・ボーダーラインに悩む人たち 患者の身近にいる方たちが少しでも平穏な日常を取り戻せるための関連書を紹介します。

ウチの子は? 発達障害と子ども発達障害をわかりやすく理解できる本のご紹介です。

季刊 こころのりんしょうa・la・carte
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あやまる言葉を忘れたのかな

 最近、若い人たちが、あやまらなくなってきたと思いませんか。

 以前は、電話にでたとたんに、挨拶代わりに「もうしわけございません」などとあやまる人がいて、それはそれで変に思いましたが、比較的すぐにあやまりの言葉を聴くことが多かったように思います。最近では、めっきり減りました。 たとえば、食事にいくと、すぐ水が出てくるものですが、あまり水が出てこないので催促すると、「今お持ちしたほうがいいですか」とか「お水がいいですか」というような返事が返ってきます。一言も「あ、すいません」というような言葉は聞かれません。あるところに電話して、ある用件をお願いし、急いでいるからと言って、電話をきって待っていると、いつまでも返事がきません。業を煮やして電話して、どうなったのですかと聞くと、「すぐ調べたほうがいいですか?」といって涼しい顔。

 今はどうか知りませんが、昔、ドイツのハンブルグの友達に会いに行ったときのこと。ハンブルクに10年以上住んでいる友人いわく「こちらでは、あやまってはいけないよ。あやまれば、こちらが悪いと認めたことだから、まずいことになるよ」といわれました。道路を渡るときも、右左を見てわたってはダメだ、左をみて確認すると、車の運転手は、こちらが車を見たのだからといってとまってくれない、左を見ないでわたれば、運転手はこちらが車を見ていないのだから止まらざるを得ない、と言われました。冗談かなとも思いましたが、うまく言い当てているとも思いました。デパートなどで、荷物を運んでいる人が、周りのお客さんに、「注意しろ」といって、大きな車を動かしていました。

 イギリスに行くと、こんどは、excuse me という優しい言葉を良く耳にしました。電車に乗ってこちらがぶつかっても、相手がexcuse me、こちらが足を踏んでも踏まれたほうがexcuse me。デパートで、荷物を運ぶ人も、excuse me。 国によってかなり違うものですね。

 小さな子どもは、謝りません。怒られると、なきます。いつごろになってでしょうか、怒られると、ごめんなさい、といえるようになるのは。「ママ、ゴメンナチャイ」という魔法の言葉を子どもは発見するのです。もしかすると、この魔法の言葉を発見せずに大きくなってきた人たちが、沢山いるのかもしれません。 コンビニや、ファーストフッド店などでマニュアルにあるとおり、小さな子どものお客さんにまで「おそれいります」などと怖い顔をして言っていますが、言葉と顔が一致しません。 最近、コンビニに入っていくと、店員さんがそっぽを向いたまま「いらっしゃいませ、こんにちは」と鸚鵡返しのようにいっています。すごく変な感じです。発音している言葉と、その言葉の持つ意味が、まったく矛盾しているわけです。まったくコミュニケーションになっていません。鬼のように怒っているお母さんを、一言でにこっとさせてしまうこの魔法の言葉は、精神療法の極意かもしれません。


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