精神医学は、常に「あいまいで、わからない」ものと向き合う学問かもしれない。にもかかわらず、マニュアル通りに診断し、標準治療を施せば十分だと、どこかで思考を止めてはいないか。精神科医としての日々は、謎に満ちている。謎は解けないまま、次々と現れる。それでも、その謎を抱え、考え、想像し続ける。本書は、不確かな地図を携えてこの迷宮の出口を探すための、様々な工夫や新しい視点を投げかける。そして、AI、ガイドライン、定量的評価指標よりも大切なのは、「いま、この患者さんは何を感じ、私に何を伝えようとしているのか」という問いを自分に投げかけ想像し続けること。精神科医の心に響く珠玉のエッセイ集。
吉村玲児 著
データ形式:リフロー
定価
2,970 円(本体2,700円 + 税)
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Contents
- 精神医学の「あいまいさ」と向き合うということ
- なぜ精神科医なのか
- 精神科医の「上から目線」について
- 私のうつ病治療:“測れる病”と“測りきれない苦しみ”の間で
- 症例カンファレンスについてのメッセージ
- 診察室の重力
- 精神科医の臨床スタイルは変わり続ける
- 大学病院精神科の時間と負荷:自己犠牲に依存しない診療体制のために
- 国立モンゴル精神科病院での学び
- 臨床医学と「再現性」の壁
- バイオマーカー研究の危うさ
- 忘れられない7つの物語
- プレゼンティーズムという幻想…「測れるもの」に人間を押し込めないために
- うつ病とルサンチマン:苦しみの奥底に潜む「価値の反転」
- 神経行動経済学とうつ病:“非合理”の見え方を変える
- 復職のジレンマ:行動経済学というレンズ
- 職場に漂う雰囲気
- 非意識的意識の探究:身体から立ち上がる心
- AIと産業精神医学:期待と課題の狭間で
- 私のうつ病診療:10のささやかな工夫
- 精神医学の歩き方:迷いと確かさ