結 統合失調症症候学
精神鑑定は精神病理学の華である
精神病理学の第一人者・中安信夫による最後の論文集。第Ⅰ部「精神病理」では、統合失調症、緊張病性昏迷、自閉スペクトラム症の精神病理を、著者独自の視点から深く考察する。第Ⅱ部「精神鑑定」では、宮崎勤、麻原彰晃、宅間守ら重大事件の加害者の精神病理に迫る。さらに第Ⅲ部では、精神病理学の意義と精神科臨床教育のあるべき姿について、長年の臨床と教育の経験を踏まえて提言する。著者の半世紀に及ぶ思索と実践の結晶とも言える一冊。
中安信夫 著
定価 9,680 円(本体8,800円 + 税) A5判 上製函入 392頁
ISBN978-4-7911-1185-5〔2026〕
Contents
第Ⅰ部 精神病理
第一章 統合失調症は状況意味失認-内因反応である
第二章 統合失調症は「自我の病」にあらず──拙論「状況意味失認- 内因反応仮説」研究の裏面史──
第三章 昏迷、ひいては緊張病症候群の概念を広げすぎてはいないか──昏迷の原型である緊張病性昏迷とは擬死反射である──
第四章 初期統合失調症論から見た自閉スペクトラム症の病態心理──試論:「自己保存本能の欠如」仮説──
第Ⅱ部 精神鑑定
第五章 分裂病初期段階の司法精神医学的認定とその刑事責任能力
第六章 宮﨑勤精神鑑定──三通の鑑定書はどこで・どう違ったのか──
第七章 拘禁状況における現実否認・願望充足性妄想はいかなる機序によって形成されるのか──被告人であるとの自己同定の解離性否認──
第八章 附属池田小事件の犯人宅間守は初期統合失調症だったのではなかろうか──岡江晃『宅間守精神鑑定書』(亜紀書房、二〇一三)を読んで──
第Ⅲ部 論説
第九章 私が精神病理学に求めたもの──精神病理学の役割は病態心理pathopsychology の解明にあり──
第一〇章 かつての精神科臨床教育はどのようなものだったのか──外来初診患者の予診と本診陪席──
拙著論文集四冊に収載した論文一覧
関連書