私が弁証法的行動療法を作らなければならなかったわけ
自傷・自殺未遂を乗り越えた少女が起こした奇跡
「臆病者のまま死にたくはなかった。自分の人生について話さないのは卑怯だという気がした」。こうして弁証法的行動療法(DBT)の開発者であるマーシャ・M・リネハン博士は、自殺関連行為を繰り返して、隔離病棟に長期間入れられていた自らの過去を明らかにした。地獄にいたからこそ、そこから抜け出し、今も生き地獄の中にいる人たちを救い出すことを神に誓ったのだ。数々の困難を乗り越えながら、いまや境界性パーソナリティ障害の治療法の代名詞ともいえるDBTを生み出すに至った道のりを、博士は包み隠さずに、代表的なDBTスキルとともに語り伝えてくれる。
マーシャ・M・リネハン 著
高木美恵 訳
定価 2,640 円(本体2,400円 + 税) 四六判 並製 460頁
ISBN978-4-7911-1162-6〔2025〕
Contents
第Ⅰ部
第1章 今日も生きようと思える人生
第2章 地獄に落ちる
第3章 見返してやる!
第4章 プライベートな経験を打ち消す環境
第5章 未知の世界で途方に暮れる
第6章 故郷を去る
第Ⅱ部
第7章 シカゴへ
第8章 知的な、スピリチュアルな変容
第9章 科学者のように考える
第10章 悟りの瞬間
第11章 大学卒業
第12章 恋人:現れては去り、現れては去り
第13章 自殺専門クリニック
第14章 行動主義と行動療法の発展
第15章 やっと居場所を見つけた
第16章 間違えた
第17章 仲間を見つける
第18章 まな板の上の鯉
第19章 セラピーを受けてわかったこと
第Ⅲ部
第20章 DBTの全体像がぼんやりと見えてくる
第21章 シアトル:うつにならない生活を送る
第22章 初めての研究助成金:行動療法と自殺
第23章 科学とスピリチュアリティ
第24章 なんとしても終身在職権を
第25章 弁証法的行動療法の誕生
第26章 相反するものを対立させるか、融合させるか
第27章 現実を受け入れる
第28章 徹底的に受け入れる
第29章 恩師からのアドバイス:「ただ続ける」
第30章 師家になる
第31章 禅の教えを臨床に生かしたい
第32章 マインドフルネス:誰にでも賢明なマインドがある
第33章 DBTの臨床試験
第Ⅳ部
第34章 初志貫徹
第35章 家族ができる
第36章 私の葛藤の歴史:DBTが生まれた本当の理由
関連書