パーキンソン病は、 神経変性疾患のうちアルツハイマー病についで頻度が高く、 社会の高齢化に伴い発症の増加が予測される。 近年、遺伝性パーキンソン病の遺伝子の同定等々、 病因・病態の解明が大きく進展しているとともに、薬物療法や外科治療など臨床面での進歩も特筆すべきものがある。 基礎から臨床、 看護・介護、 先進医療まで、パーキンソン病についてあらゆる面を網羅した大冊。
編集 「脳の科学」編集委員会 B5判 並製 432頁
| 刊行にあたって | 後藤 順 | |
| 執筆者一覧 | ||
| 第 I 章 序論・総論 | ||
| 1 | 緒 言 | 柳澤 信夫 | 
| 2 | パーキンソン病――概念と治療の歴史 | 柳澤 信夫 | 
| 3 | パーキンソン病およびパーキンソニズムの疾患概念と分類 | 山本 絋子 | 
| 4 | パーキンソン病の疫学 | 中島 健二,楠見 公義 | 
| 第 II 章 基底核・錐体外路系の神経科学(機能解剖・生理・生化学) | ||
| 1 | 大脳基底核の機能解剖学 | 高田 昌彦 | 
| 2 | カテコールアミン代謝(合成,調節,異化) | 一瀬 宏 | 
| 3 | ドパミン受容体とトランスポーター | 小川 紀雄,宮崎 育子 | 
| 第 III 章 症候学 | ||
| 1 | パーキンソン病の症候と自然経過 | 岩田 誠 | 
| 2 | パーキンソン病症候の運動学・病態生理学 | 橋本 隆男 | 
| 3 | 診断基準および機能評価尺度 | 生駒 一憲,眞野 行生 | 
| 4 | 自律神経障害 | 榊原 隆次,内山 智之,服部 孝道 | 
| 第 IV 章 臨床検査 | ||
| 1 | パーキンソン病の画像診断 | 百瀬 敏光 | 
| 第 V 章 病因論 | ||
| 1 | 病因概論 | 近藤 智善 | 
| 2 | パーキンソン病の遺伝的要因 | 戸田 達史 | 
| 3 | 生活習慣と環境因子 | 楠見 公義,中島 健二 | 
| 4 | パーキンソン病における神経毒 | 太田 茂 | 
| 5 | サイトカインおよび神経栄養因子――パーキンソン病における変化―― | 永津 俊治,澤田 誠 | 
| 第 VI 章 病理と病態 | ||
| 1 | パーキンソン病の病理 | 村山 繁雄 | 
| 2 | Lewy小体の生化学 | 小山彰比古,岩坪 威 | 
| 3 | α-synucleinの分子細胞生物学 | 小山彰比古,岩坪 威 | 
| 4 | Parkinの分子細胞学的機能 | 高柳 淳,清水 信義 | 
| 5 | Ubiquitin-proteasome経路とunfolded protein response | 滝沢 修一,小坂 仁,和田 圭司 | 
| 第 VII 章 疾患モデル | ||
| 1 | 神経毒によるパーキンソン病モデル:細胞死機序の解明と神経保護薬の開発 | 直井 信,丸山和佳子 | 
| 2 | 遺伝子改変によるパーキンソン病モデル | 浅沼 幹人,宮崎 育子 | 
| 第 VIII 章 遺伝性パーキンソン病 | ||
| 1 | Parkinson's disease1(SNCP):α-synuclein | 服部 信孝 | 
| 2 | Parkinson's disease2(Park2):パーキン | 服部 信孝 | 
| 3 | UCH-L1 PARK7 | 波田野 琢,服部 信孝 | 
| 4 | その他の遺伝性パーキンソン病家系と遺伝子 | 長谷川一子 | 
| 第 IX 章 症候性パーキンソニズム | ||
| 1 | 脳炎後パーキンソニズム | 森 秀生 | 
| 2 | 薬剤性パーキンソニズム | 葛原 茂樹 | 
| 3 | 中毒性パーキンソニズム | 葛原 茂樹 | 
| 4 | 血管性パーキンソニズム | 磯部 千明,阿部 隆志 | 
| 5 | 脳腫瘍とパーキンソニズム | 森若 文雄,田代 邦雄 | 
| 第 X 章 パーキンソニズムを呈する系統変性疾患,類縁疾患 | ||
| 1 | 多系統萎縮症(線条体黒質変性症,オリーブ橋小脳萎縮症,Shy-Drager症候群) | 國本 雅也 | 
| 2 | 進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症,純粋無動症 | 齋藤 友紀,水澤 英洋 | 
| 3 | 17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭葉型痴呆(FTDP-17) | 岡本 幸市 | 
| 4 | びまん性Lewy小体病 | 小阪 憲司 | 
| 5 | 純粋自律神経機能不全症 | 田村 直俊 | 
| 6 | 若年性パーキンソニズム | 横地 正之 | 
| 7 | 瀬川病(優性遺伝性GTPシクロヒドロラーゼⅠ欠損症) | 瀬川 昌也,野村 芳子 | 
| 8 | パーキンソニズムを呈する遺伝性系統変性疾患ないし先天代謝異常症 | 水口 雅 | 
| 第 XI 章 パーキンソン病の薬物療法 | ||
| 1 | L-dopa | 村田 美穂 | 
| 2 | ドパミンアゴニスト | 長谷川一子 | 
| 3 | MAO阻害薬およびCOMT阻害薬 | 永井 将弘,野元 正弘 | 
| 4 | 抗コリン薬,L-DOPS,Amantadine | 堀内惠美子 | 
| 5 | 新しい抗パーキンソン作用薬zonisamide | 堀内惠美子,村田 美穂 | 
| 第 XII 章 薬物療法に伴う副作用,進行例における問題と対策 | ||
| 1 | 抗パーキンソン病薬の効果減退――Wearing-off現象,On-off現象―― | 加世田 俊 | 
| 2 | 運動症状(ジスキネジア,ジストニア) | 加世田 俊 | 
| 3 | 精神症状 | 柏原 健一 | 
| 4 | 悪性症候群 | 久野 貞子 | 
| 5 | その他の副作用 | 水田 英二 | 
| 6 | 合併症とその対策 | 三輪 英人 | 
| 第 XIII 章 外科的治療法,移植再生医療,その他 | ||
| 1 | 定位・機能神経外科的治療 | 深谷 親,片山 容一 | 
| 2 | パーキンソン病に対する細胞移植治療――現状と将来展望―― | 中尾 直之,板倉 徹 | 
| 3 | 経頭蓋連続磁気刺激によるパーキンソン病の治療 | 岡部 慎吾,宇川 義一 | 
| 4 | 幹細胞によるパーキンソン病治療の可能性 | 等 誠司 | 
| 5 | 遺伝子治療の可能性と研究の現状 | 小澤 敬也 | 
| 第 XIV 章 パーキンソン病治療の最適化 | ||
| 1 | 治療の最適化に求められるもの | 近藤 智善,中西 一郎 | 
| 2 | 本邦におけるパーキンソン病治療ガイドライン | 金澤 章 | 
| 3 | パーキンソン病治療ガイドラインの世界の動向 | 山本 光利 | 
| 第 XV 章 リハビリテーション,看護・介護,補助制度,支援 | ||
| 1 | パーキンソン病に対するリハビリテーション | 中馬 孝容,眞野 行生 | 
| 2 | パーキンソン病療養者の療養支援課題と支援システム | 小倉 朗子 | 
| 3 | 補助制度・・特定疾患認定,身体障害者認定,介護保険制度 | 平井 俊策 | 
| 4 | 患者支援団体とその活動――パーキンソン病友の会 | 徳永 武重 | 
| 索 引 | ||