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星和書店
今月の新刊 next

わかりやすい「解離性障害」入門

わかりやすい「解離性障害」入門

一人の中に複数の異なる人格が存在する(多重人格障害)
目が覚めているのに手足が動かない金縛り状態

岡野憲一郎 編 心理療法研究会 著
四六判 並製 320頁  ISBN978-4-7911-0745-2〔2010〕
定価 2,415円(本体2,300円)

交代人格(多重人格)、自分が誰だかわからなくなる健忘、現実感覚の喪失と自傷など、多彩な症状を呈する解離性障害は、近年急速に注目を集めている。本書は、数多くの事例をもとに、症状の表れ方からその理解の仕方、治療法までを幅広く解説する。解離をめぐるトピックスや最先端の治療スタイルについて紹介したコラムなど、幅広い視点から「解離性障害」にスポットを当てる。患者さんとそのご家族だけでなく、治療に関わるスタッフと専門家、すべての臨床家にも読んで欲しい一冊。

統合失調症に負けない家族のコツ

統合失調症に負けない家族のコツ

読む家族教室

渡部和成 著
四六判 並製 160頁  
ISBN978-4-7911-0746-9〔2010〕
定価 1,575円(本体1,500円)

統合失調症から患者さんが回復するには、ご家族にもコツが必要です。さらに、ご家族自身が統合失調症に負けないコツを身につけることも重要です。本書は「読む家族教室」という読者参加型のスタイルをとり、統合失調症という病気について、適切な対応の仕方について、ライブの感覚で、生きた情報を伝えています。
『統合失調症から回復するコツ』の著者がご家族に贈る、待望の続編。

青年期のこころの発達

青年期のこころの発達

ブロスの青年期論とその展開

山本 晃 著
A5判 並製 256頁
ISBN978-4-7911-0744-5〔2010〕
定価 2,625 円(本体2,500円)

児童期から青年期にかけて、私たちは第二次性徴を迎え身体が大きく変わる。その影響を受けながら精神もまた、段階を踏んで成長してゆく。本書ではフロイトの流れを汲みつつ青年期を精緻に講じたピーター・ブロスの精神分析的発達論に基づき、健常、神経症、情緒障碍、知的障碍のこころの発達過程を詳説する。さらに付論で広汎性発達障碍の発達論を根本から見直す。著者独自の図示・ケース提示を多用して、精神分析に慣れない読者にも親しみやすいように工夫を凝らしたユニークな入門書。

  雑誌の最新号 next

精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第25巻8号

特集: DSM─5ドラフトをどう考えるか

2010年2月に米国精神医学会(APA)から発表されたDSM─5のドラフトを特集。改訂の最大の特徴であるディメンジョン評価がどの程度、実際の臨床に影響するか、それぞれの分野における改訂内容を概観する。分野別の紹介とともに著者の意見を加え、わが国の精神医学界への影響を論じる。2013年発表のDSM─5の先駆けとなる特集。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第13巻9号

特集:新規抗てんかん薬levetiracetamのすべて

世界90ヵ国以上で発売されている抗てんかん薬levetiracetamが、2010年7月に本邦で承認された。てんかん治療におけるlevetiracetamの可能性について、薬理作用、臨床効果、安全性と薬物動態の特徴から考察した。

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こころのマガジン

新しい依存症

私が出版を始めたころ、嗜癖問題というとアルコールのことでした。アル中と言っていた時代です。一般的には、病気とは考えられていなくて、家族も当事者を、きつく懲らしめてもらうために、病院に連れて行くという感じでした。このような捉え方は、依存症の概念がひろまってきている現在でも、ごく一般的です。覚醒剤を使用した有名人が現れると、どれだけ当人が反省しているかということが大きな問題となり、病気だから治療をうけて回復をめざそう、ということにはならないようです。なにしろ、謝罪会見が好まれるのですね。
時代が変わり、雑誌の特集などでも、アルコール依存症から薬物依存へと関心が移り、さらにギャンブル嗜癖や買い物嗜癖などもよく聞かれるようになりました。
ただ、これら嗜癖問題は、どこか後ろめたいところがありますよね。決していいことと、当人ですら思っていないはずです。麻薬をいいことと思っている人はいないでしょうし、後ろめたいながらも、やめられないということでしょうか。
ところが全く後ろめたくない依存症がこれからは問題になってくると思います。パソコンのない時代に育った世代では、パソコンを動かせるだけで感心するものです。うちの子は、パソコンの天才だ、なんて喜んでいる親も沢山いることでしょう。アルコールなどの場合は、まあ、隠れて飲むということになるのでしょうが、パソコンの場合は、堂々と、一日中でもつけていて、ネットサーフィンやネット上のゲームに打ち込んでいる人も、日に日に増えているようです。ITのテクノロジーは、日に日に進歩していきます。多くの人たちは、ネットが提供する空想の世界に強迫的にのめりこみ、自分自身を孤立化し、現実に背を向け、家族や友人を無視し、睡眠を削り、挙句には、職を失うということにもなります。
これって、大きな嗜癖問題の登場ではないでしょうか。携帯電話が技術革新によって機能を広げ、ますますネットにのめりこむ人たちが増えてくると思います。当社でも、ツイッターを試してみたのですが、即座にフォローがいくつも来ます。これを見ていると、一日中、ツイッターの画面をみている人たちが沢山いるのではないかと疑ってしまいます。
ネットゲームをしていると、時間がどんどん過ぎていきます。というか、時間という概念が全くなくなってしまうのではないでしょうか。以前、当社にもゲームマニアがいて、パソコンゲームをしていると、いつの間にか朝になってしまい、さあ、会社に行かなくてはとパソコンを消すと、急に眠くなって寝てしまい、目が覚めると昼過ぎだ、ということが頻繁にありました。
じっと時計を見ていると、特に秒針の動きを見ていると、時間はかなりゆっくり動いています。1分でもとても長く感じますし、1分あればコーヒーも入れられます。電車を待っている1分も結構長いですよね。他のことに心が捕われると、時間はすぐに過ぎていきます。若い時は、時間は永遠であるような感じがしているものですが、だんだん残り時間が意識されるようになります。残りの時間を出来る限り長くして、皆さまのお役にたてることを少しでも多くしていきたいものです。
この夏は、いつもより長い夏でした。7月の初めに、急に当社の社屋を増築することになりました。それから2カ月、大工さんの工事の騒音の中で、またクーラーもないような状態の中で、仕事をしてきました。12時になると大工さんたちが昼休みになります。騒音の中で静寂の訪れる昼12時を待っていると、とても時間がたつのが遅いんですね。いつもだと、あれ、もう12時というはずなんですが。
猛暑も間もなく終わることでしょう。収穫の秋の訪れですね。多くの学会も開かれます。
すばらしいいくつかの本の出版も間もなくです。ますます楽しみが増えてきて、日々、わくわくしながら一日の時間を楽しんでおります。
 小さな社屋が、やっとすこし広がって、エコノミー症候群にならないで済むくらいになりました。次回は、増築工事の御報告を少しさせていただきます。

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