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星和書店
今月の新刊 next

続・怖れを手放す

続・怖れを手放す

アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ
<ボランティア・トレーニング編>

水島広子 著
四六判 並製 256頁 ISBN978-4-7911-0728-5〔2009〕
定価 1,890円 円(本体1,800円)

不安をなくし、平和で穏やかなこころの持ち方を学ぶためのアティテューディナル・ヒーリング(AH)。このアメリカで生まれたAHワークショップは、「自分は、今、この瞬間を生きているんだ」ということを強く実感させてくれる。人生の良き道しるべとなる。子育てや家族の問題、学校や仕事といった日常の問題での悩みの解決に最適なAH。他者をサポートする人のためのボランティア・トレーニングを学びたい人に特にお勧めしたい。「怖れを手放す」をまだお読みでない方にも楽しんでいただける工夫がされており、治療者にも役立つ最良の書である。

境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド

境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド

BPDとともに生きるうえで知っておくべきこと

アレクサンダー・L・チャップマン、キム・L・グラッツ 著
荒井秀樹 監訳 本多篤、岩渕愛、岩渕デボラ 訳
四六判 並製 384頁 ISBN978-4-7911-0727-8〔2009〕
定価 2,520円 円(本体2,400円)

BPD(境界性パーソナリティ障害)をもつ人は、激しい情緒不安を抱え、人間関係にも苦しんでいることが多い。本書はBPDの入門書として、BPDに関する最新の情報をもとに、その全体像、複雑な要因、BPDがもたらす混乱について丁寧に解説し、弁証法的行動療法をはじめとする多くの治療法や役立つ対処法を紹介する。さまざまなエピソード(症例)が随所にちりばめられており、BPDをもつ人やその周囲にいる人が病気を正しく理解し、不安を軽減させることにも役立つ価値のある入門書である。

  雑誌の最新号 next

精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第25巻1号

特集: わが国の精神科治療のこれまでとこれからへのメッセージ―創刊25周年記念特集―

わが国の精神医学と医療はこの25年で大きな変化を遂げた。もっとも大きな変化は,DSMやICDの操作診断の導入であろう。また,新薬が次々に登場し,治療の選択肢が広 がった。しかし一方,過剰診断や薬物療法一辺倒という批判も多くある。本誌25年の歴史と期を一にして大きな変化を遂げたわが国の精神科治療を,本誌歴代編集委員が多角的に俯瞰し,展望する。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第13巻2号

特集:臨床開発の最近の動向

国際共同治験や医師主導治験、長期アウトカム試験など臨床試験の最新情報を紹介。また、適応拡大や新たな認知機能評価バッテリーの開発、機能画像研究の臨床応用など、臨床開発の未来を展望し、これからの方向性について大いなる示唆を提供する特集。

精神科臨床サービス
定価 2,310
季刊 精神科臨床サービス 第10巻1号

特集: 病状悪化!? ――急な変化にどう対応するか

普段は穏やかな人が突然怒り出した,デイケアにぱったり顔をださなくなったなど,ご本人の言動や病状の急な変化に直面したとき,医療機関であるかどうかにかかわらず,それぞれの現場でとりあえず適切と思われる対応をしなくてはならない。その変化は急性期症状の出現によるものか,環境への反応なのか,緊急性はどの程度かなど,判断に迷うことも多い。本特集では,急性期医療の最前線を紹介するとともに,福祉施設,学校,会社などでは「急な変化」をどう捉え,どんな対応をしているか,経験に裏打ちされた実践的指針を示す。

こころのりんしょうà·la·carte
定価 1,680
季刊 こころのりんしょうà・la・carte 第28巻4号

特集: 精神科診断の新しい流れ:病名だけが診断ではない?

精神科医療の診断は病名だけにとどまらず、パーソナリティ、ストレス、精神疾患などの総合的見方が重要なポイントとなってくる。第1部Q&Aでは、これまでの精神科診断の変遷、評価法の発展、DSMやICDの基本、治療への応用などついて分かりやすく解説。第2部では、身近な具体的なケースを見ながら、うつ病概念、パーソナリティ理論、生活史の測定方法、遺伝・環境要因などについて検討し、診断法の新しい流れを展望する。

治療の聲
定価 2,940
年一回刊 治療の聲 第10巻1号

特集:症例検討会の心得

精神科臨床に重要な意味を持つ症例検討会の意味、功罪、技法論についてさまざまな立場から論ずる。「治療の索引づくり」「ディスカッションする能力」などの魅力的な視点を提示。さらに、九州大学と神戸大学の合同による緊張感漂う検討会の記録を2つ紹介した。また、前号に続く、中井久夫氏のレクチャー「中井久夫、描画症例を語る2」。多彩な描画療法を展開した15名の症例について、多くの描画作品を紹介しながら治療の経過を詳細に追う貴重な内容。

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たった一つだけ

2010年、明けましておめでとうございます。 新年になると、おめでとう、と言いますが、みなさん、おめでたい気分になりましたでしょうか。英語では、I wish you a happy new yearですから、おめでたいというより、幸せな年を願うということでしょうか。

昨年は、随分と雑誌の廃刊がありました。私にとって大変ショックだったのは、研究社の「英語青年」が休刊になったことでした。と言って、最近まで英語青年を読んでいたわけではありません。ですので、最近の英語青年の目次や内容がどのようなものであるかは、知りません。私が高校の時、そう40年以上前でしょうか、毎月、英語青年が出版されるのを楽しみにしていました。それ以上に熱中していたのは、神田村の古書店にいって、昔の英語青年のバックナンバーを探索することでした。

英語青年には、和文英訳の課題が出ている頁があって、その和文を英訳して編集部に送るんです。ペンネームを書いて送るのですが、次の号(いや、次の次の号)くらいに、ランク別にペンネームが並んで載せられるのです。なかなか上のランクに上がらないんです。その和文英訳で何しろ俊逸だった講師は、早稲田の商学部の教授の伊地知純正先生でした。私が高校のときには、もうこの欄を担当されていなかったので、その時より10年ほど前の英語青年を古書店で探しまわり、伊地知先生が担当されている号を見つけると、それを宝物のように買ってきたものです。何しろ英語がうまい。それにコメントが超面白いのです。マンガを読むより面白かったのです。私は、伊地知先生の採点を受けたことはないのですが、伊地知先生の影響を強く受けたと思っています。伊地知先生は、その当時の日本人が(戦後日本が貧しいころ)英会話を習うことが英語を勉強するということだと思っていたことを苦々しく思っていたのでしょう。It is more important to write a good English than to speak English というようなことをよく書かれていました。そこで、英語青年だけでなく、伊地知先生の英語で書かれた著書を古書店で探し回りました。When two cultures meet, First visit to Londonなどが私の戦勝品でした。

この雑誌が休刊になったのですから、かなりショックを受けたわけです。英語青年のファンと言っても、和文英訳の欄だけを求めて買っていたのです。ワーズワースだキーツだシェクスピアだという論文には、目もくれないんですね。と考えると、雑誌では、全部の内容を気に入って買うというよりは、一つでいいんです、ほしいと思う内容があれば。たった一つ読みたい、勉強したいと思うものがあれば雑誌を購入するのではないでしょうか。今の雑誌は、このたった一つが無いような気がします。

星和書店は、医学の各分野を平均的に出版するのではなく、本当に狭い領域に絞って出版活動を行っています。この一つの領域において、本年も引き続き輝いていられるように努力していきたいと思います。

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