Publication of this month
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毎年6月は、定期刊行物以外には、ほとんど書籍を出版しません。それは、私どもが常備委託品を出庫する月だからです。常備委託とは、出版社が書店さんに1年間自社出版物をお預けすることです。例えば丸の内の丸善書店さん。沢山の本が棚に並んでいます。その在庫をすべて書店さんの自己資金で調達することは、不可能です。各出版社が、書店さんの棚に本を置かせてもらっているのです。そして1年に一回、新しい常備をだします。そうしますと書店さんは、今まで入っていた書籍を返品します。そのとき常備商品以外の書籍も返品されてしまうため(1週間前に書店さんに並んだ新刊も返品されることが多いため)、常備の月には、新刊の出版はできるだけ少なくするわけです。
ということで、今月の書籍の新刊は1点だけです。
コミュニケーションの技術は、指導医のやり方をみて身につけるものだと思われている若手医師も多いことでしょう。しかしこれは誤りであると、著者は指摘しています。
癌の進行など悪い知らせを伝える時、患者さんや家族の強い感情に対して、型にはまった論理的なやり方では解決にならない、ということを著者は実感して、本書に述べるガイドラインを作成した、ということです。
最近、コミュニケーション技術に関する本がたくさん出ていますが、本書は10年前に出版された本の翻訳ですが、基本的であるがゆえに多様な可能性を持っています。実際、原著はすでに手に入りません。当社でも翻訳にあたり原著の出版社に本を送ってもらおうとしましたが、1冊も本がないという返事でした。
日本の状況は、アメリカに遅れること数年といわれています。本書は、今、正に日本で要求されている書であります。
解離性障害 こころの臨床アラカルト 第28巻第2号
過去のある時間、たとえば数日間の記憶がなくなる
突然に家庭や職場からいなくなり、自分はいったい誰なのか、全く思い出せない
外からの刺激に無反応で、長時間ぼーとしてしまう
手足を動かせず、皮膚などの感覚がなくなる
2つ以上の人格が出てくる。
上記のような現象以外にも、興味のない話を聞いている時、全く別の事を考えたり、意識がどこかへ行ってしまうとか、白昼夢など、私たちも一般的に経験することがあります。このような解離は、どうして起こってくるのでしょうか。
子供の頃のトラウマ体験による、とか、生きるための防衛手段だ、など、いろいろな仮説があります。
でも、その仮説は、正しいのでしょうか。
今月号のこころの臨床では、この問題をわかりやすく取り上げています。
こんなものがあれば
最近、読者の方からよくお電話をいただきます。その多くは、患者さんのご家族の方からです。最初は、当社の著者の先生に診てもらうには、どうすればいいか、というようなことでかかってくるのですが、お話をお聞きしていると、次から次にいろいろなご質問をされます。薄学の身、到底それらのご質問の全部にお答えすることはできません。
インターネットがかなり普及してきてはいますが、利用されないご家族も多いし、利用されていたとしても、今のネット上の情報を探し出していくのは、かなり複雑です。なかなか知りたい情報にたどり着きません。また、あちこち、ネット上を探していかなければならないですし、決して分かりやすい便利なものとは、いえません。ネット上には知りたい情報など、あまりないとも言えます。
心の病気に関して情報を一元的に、わかりやすくご提供できるところは、実際は、ないのではないでしょうか。最近こんなものがあればいいなあ、と時々夢見ています。
■メンタルヘルス総合案内所
こちらは、○○○省が運営する「メンタルヘルス総合案内所」でございます。治療機関ではございませんが、皆様のご相談を無料でお受けしております。最初にご相談をお受けするのは、多くのボランティアの方々です。ボランティアの方々の多くは、患者さんのご家族ですが、しっかりと講習やトレーニングを受けていて、メンタルヘルスの知識は十分に積んでおります。また、ご相談に来られる方々のお気持ちと同じ気持ちをもって接しております。より複雑なご質問には、常駐している専門家が対応させていただきます。場所は、便利な駅中です。○○駅の中には、たくさんの商店やデパートなどが入っていますが、人通りが少なく、商業施設にならないスペースもあり、そこを有効利用しております。ちょっと分かりずらいですが、雨にぬれずに来られます。どのようなご質問にも、心から対応いたします。ただ、治療機関ではないので、診察はできません。お薬もお出しできません。カウンセリングや精神療法も受けられません。どうすれば精神療法を受けられるとか、どのような治療を受けたらいいのか、などのご相談をお受けしております。ただ、次のようなご相談には、お答えできません。
ご質問「よくテレビ番組でやっているようなスーパードクター、精神科のスーパードクターを紹介してほしい。あっという間に直してしまう先生を紹介してほしい。」
メンタルヘルスの話ではないのですが、本を探すのに苦労することがあります。最近では、アマゾンなどでかなり調べられますが、出版社に電話して聞かなければならないこともあります。現在の書籍販売は、書店さんかネットショップです。大きな書店さんがあっても、そこは出版社別の品ぞろえになっていません。デパートなどでは、館内にショップが入っています。たとえば、カルティエのお店とか、高級なチョコレートのお店とか。デパートが販売しているというより、場所をメーカーに貸している、という形態です。
フランクフルトのブックフェアなどに行きますと、幕張の展示会場よりはるかに大規模な展示ホールの中に出版社がそれぞれ店舗を作っています。このように、大きな建物、あるいはショッピングセンターのようなところに、各出版社が小さな店舗を出したらどうなんでしょうか。一つの店舗を出せない小さな出版社は、いくつかの出版社が共同で一つの店舗を出すとか。新潮社のお家、講談社のお家、医学書院のお家、星和書店のお家、などそれぞれ特徴のある内装をしてお店が並んでいて、それらの店舗を回るのも楽しいでしょう。また、現状では読者と直接お話しする機会の少ない編集者が店舗にでて、本も売ったり読者との対話をするというのも有益です。この施設を書店さんが運営したらどうでしょうか。本を売らなくても、出版社からの家賃でやっていけるし、自分で本を売るよりも、利益があるかもしれません。
最近、朝、出勤途中でよく歩いています。2駅位歩きます。約4000歩。歩いていると、本当にいろいろなことが頭に浮かんでくるのですね。上記のようなことをぼ〜と考えていると、いつの間にか新宿駅に着いています。これも解離でしょうか。
健康にもいいようです。ただ、これから夏に向かうので、朝は、汗まみれで会社に来るのもつらいので、夜、帰宅時に歩くことになるかもしれません。ただ、夜遅く人通りのないところを歩いていると、ひったくりか何かに間違われてしまう危険性もあるような気がします。冤罪にならないように注意して歩くことにします。
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