■特集 再発予防と精神科薬物療法 ●第二世代抗精神病薬による統合失調症の再発予防
岩田仲生
統合失調症の薬物療法は第二世代抗精神病薬(SGA)の登場で新たな段階に入った。従来の陽性症状への効果に加え,陰性症状,特に認知機能改善作用に注目が集まっている。統合失調症薬物治療の最終目標は機能を回復し自立した社会生活を送ることではあるが,そのためにも病期初期段階での再発防止が重要性を担っている。SGAの従来薬物に対する最大のアドバンテージは副作用の少なさにあり,これが服薬遵守(アドヒランス)ひいては再燃・再発防止に,より有効ではないかと期待されている。本論では特に服薬遵守と再燃・再発防止の観点からSGAに関する最近の臨床研究の成果を概観する。
Key words :schizophrenia, second generation antipsychotics, adherence, prevention of relapse