■特集 自殺―精神科医として何ができるか―
●病状は回復したものの自殺を敢行した初期統合失調症の2例─どうすれば自殺を防ぎ得たのか?─
関 由賀子
「初期統合失調症の自殺」をテーマに,病状自体は回復したと見なしていい時期の就職を機に自殺を敢行した2症例を報告し,症例の概要を示したのちに,2症例に共通する5つの病期に分け,各病期での患者の陳述を示し,その特徴についてまとめた。その5つの病期は,症状と連動して不安定であった第1期,症状が軽快するとともに安定した第2期,アルバイトや大学の課題等と連動して不安定になっていた第3期,その負荷が外れたことで安定した第4期,そして自殺へと至る就職へ直面化せざるを得なかった第5期である。病状が回復したのちに,より明らかとなった患者の人柄に由来する現実問題への処し方が自殺の要因に関連しているものと思われたが,その人柄にどのように働きかければよかったのかということを含めて,どうすれば自殺を防ぎ得たのかという思いは筆者の中に残ったままであった。
Key words:early schizophrenia, suicide, personality
●慢性期統合失調症患者の自殺
舟橋 龍秀
自殺をいかに防止するかということは,うつ病のみならず,統合失調症の治療においてもきわめて重要である。統合失調症患者においても,自殺念慮や自殺企図の既往のある患者は自殺の
high risk 群である。慢性期の患者については,その動機を明瞭に捉えにくい事例が少なくない。これらの中には,将来への不安といった了解可能な心理に基づくものがあるが,一方,その予兆を捉えがたいものも少なくない。その場合でも,遡及的に検討すると,日常生活上,態度や行動の変化が認められる場合が少なくない。したがって,統合失調症の治療にあたっては,常に,自殺の可能性を念頭において,患者の言動の変化を,たとえ些細なものであっても,慎重に評価することが重要である。
Key words:suicide, schizophrenia, chronic schizophrenics, motive for suicide, anxiety about the future
●退行期メランコリーの自殺
古野 毅彦 古茶 大樹
Kraepelinが教科書第5版で提唱した退行期メランコリーは否定的自己価値感情,原不安の露呈(微小妄想の出現),自閉(自己内界へのとらわれ)などで特徴づけられる病態であるが,この病態においては希死念慮,自殺企図が高頻度にみられる。背景心理として自己価値の極端な低下や「先がない。未来にやり直しがきかない」という時間性の変化が存在する。とりわけ自殺企図に結びつきやすいのは罪に対する罰の観念が出現する例や「自分のせいでまわりがみんな悪くなる」と拡散性,加害性を認める例である。診療においてこの病態が同定されたなら,たとえ本人が希死念慮を口にしていなくても自殺の危険性を常に念頭において対応していくことが大切である。
Key words:involutional melancholia, suicide, Kraepelin, depression, ECT
●産褥期うつ病の自殺
岡野 禎治
従来から,産褥期うつ病の一群では,自殺のリスクが高いことが指摘されていたが,2001年の英国の母体死因に関する調査では,産科的な身体疾患による死亡を抜いて,妊産褥婦の自殺が主要因であることが明らかになった。周産期精神医学の知見によると,妊娠期および産褥期では気分障害は病像や経過が通常と異なることが指摘されている。こうした病態が一部では,自殺と関連している場合がある。そこで,周産期の精神疾患による自殺の実態と,事例を通した臨床実践上の課題と自殺防止のための危機管理について考察した。
Key words:postnatal depression, suicide, puerperal psychosis, bipolar disorder
●解離性障害と自殺
細澤 仁
従来から解離性障害患者は自殺企図を起こしやすいとされてきた。近年の研究で,実証的にも,解離性障害と自殺企図の関連が確認された。私たち臨床家は,解離性障害が自殺企図を起こすリスクを認識し,治療にあたる必要がある。この論文で,筆者は,解離の意味を,Ferenczi,
S.やWinnicott, D.W.を援用し,病理と防衛というふたつの水準で説明した。解離の病理としての起源は,早期の外傷による自己の断片化であり,それにより,自己の中に「死んだ部分」が生成される。その後,その死の不安への防衛として解離は機能するようになる。このことを背景に,解離性障害患者は,積極的な希死念慮を訴えることは少ないが,死との親和性はきわめて高く,突発的に重篤な自殺企図を行う傾向がある。以上の理解を踏まえ,解離性障害患者の治療においては,患者の心身の安全の確保ということを第一義とし,マネージメントを中心にすることを提案した。また,マネージメントの持つ「抱える機能」には心理療法的意味もあることを強調した。
Key words:dissociative disorders, suicidality, death drive, psychotic anxiety, management
●身体表現性障害における自殺
堀川 直史 倉持 泉 樋渡 豊彦 大村裕紀子 國保 圭介 内田 貴光 安田 貴昭
身体表現性障害の自殺はほとんど注目されていない。しかし,身体表現性障害では実際に自殺傾向が低いのであろうか。これを明らかにする目的で,著者らの経験をまとめ,文献的検討を行った。文献は比較的少ないが,身体化障害と身体醜形障害の自殺傾向が強いことはほぼ確かめられている。最も頻繁に出会う鑑別不能型身体表現性障害の自殺に関する文献はほとんどない。一方,慢性疼痛については比較的多くの文献があり,自殺傾向が強いことが知られ,自殺の危険因子あるいは自殺に至る心理,受療行動の特徴,うつ病が併発したときの危険性なども記載されている。これらの大多数は,鑑別不能型身体表現性障害にも共通の心理と行動である。現時点でいえることは,鑑別不能型身体表現性障害の患者についても,自殺の危険性を忘れず,十分な治療とケアを行うべきであるということである。
Key words:somatoform disorders, suicide, pain disorder, undifferentiated somatoform disorder
●摂食障害と自殺
鈴木 健二
摂食障害における主要な症状である拒食,過食,嘔吐,下剤乱用はいずれも自己破壊的行動であり,摂食障害には自傷行為や自殺未遂も多い。摂食障害は転帰調査において死亡率も高く自殺率も高い疾患とされている。摂食障害の自殺は3つのタイプに分けられる。それらは①やせすぎと脱水状態による衰弱死で自殺と見なされるもの,②過食がとまらない時の自殺,③併存症のうつ病やアルコール依存症の悪化による自殺,などである。この小論においては,ビンスワンガーの症例エレン・ウエストを代表として取り上げ,3つのタイプの4人の自殺について自験例を報告した。特に摂食障害にアルコール依存症が併存したケースは,入院治療の6年後の転帰調査において13%の自殺があり,最も自殺のリスクが大きいと考えられた。わが国の摂食障害の治療において,精神科の摂食障害の専門家の層も薄く,入院治療ができる施設も少なく,自殺防止対策はなきに等しい現状がある。
Key words:eating disorder, mortality, suicide, self harm, alcoholism
●パーソナリティ障害と自殺および自殺関連行動との関連性
林 直樹
自殺もしくは自殺未遂や自傷行為などの自殺関連行動(suicidal behavior:SB)とパーソナリティ障害(personality disorder:PD)との関連は,広い範囲に及ぶ。しかし,両者の関連性は多くの研究において指摘されてきているものの,現在もなお,その大多数がまだ確認を必要とする段階にある。本稿では,従来の研究の自殺もしくはSBとPDについての多様な関わりを概観し,その自殺もしくはSB予防上の意義についての若干の検討を行った。自殺既遂者もしくはSB患者には,PDが高頻度で認められる。また,自殺もしくはSBを経験するPD患者の比率も高い。PDばかりでなく,怒りやすさ,衝動性,自己愛的傾向といったPD特徴に近縁の特性もまた,自殺もしくはSBの発生を促すと考えられる。さらに,PDに高頻度で合併するうつ病や物質関連障害などの他の精神障害も,PDと相俟って自殺もしくはSBの発生を促す要因となる。これらの他にもPDと自殺やSBとの接点には,自殺願望を構成するPD患者の生き方や世界観など,多くのものがあると想定される。自殺のハイリスク状態にあるPD患者の臨床では,自殺予防を視座においてこれらの関連性をしっかりと把握し適切に治療を進めることが必要である。
Key words:suicide, suicidal behavior, personality disorders, aggression, pathological narcissism, stressful life─events
●発達障害の自殺
三上 克央
本稿では,注意欠陥/多動性障害(attention─deficit/hyperactivity disorder:AD/HD)と広汎性発達障害の自殺について述べた。発達障害の自殺研究は1980年代以降,児童・思春期を対象としたAD/HDを中心に進められてきており,本邦における児童・思春期の自殺の状況に触れるとともに,AD/HDの自殺について海外の疫学研究を中心に概観した。一方,広汎性発達障害の自殺に関しては,現在までのところ疫学研究はほとんど報告がないことから,筆者らは自殺企図により東海大学医学部付属病院高度救命救急センターに入院となった児童・思春期例(連続サンプル)について,広汎性発達障害群と非広汎性発達障害群に分類し比較検討を試みた。その自験例の結果とこれまでの事例研究を踏まえ,思春期における広汎性発達障害の自殺企図例の特徴を考察し,自殺の再企図防止のアプローチについて試論を述べた。
Key words:suicide, adolescents, pervasive developmental disorders, AD/HD, sucidal predisposing factors
●アルコール依存症と自殺
長 徹二 猪野 亜朗
自殺は個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく,生物学的,遺伝的,心理的,社会的,環境的因子が複雑に関連している多面的な問題であり,その構成はアルコール依存症と類似している。自殺予防において精神疾患の重要性が注目を集め,国際的には自殺者の占める精神疾患はうつ病に次いで物質関連障害とされているにもかかわらず,日本での対策はうつ病に集中してきた。海外ではアルコール依存症の罹患は一般人口と比較して自殺のリスクが60~120倍高くなると報告されていたり,メタ分析では自殺死亡者に占めるアルコール依存症者の割合は15~56%とされているなど,わが国でもアルコール依存症への対応が自殺対策の中で重要であると考える。本稿では,アルコール依存症者の自殺事例を提示し,アルコール依存症の自殺を予防する要点についてまとめる。
Key words:suicide, alcohol dependence, comorbidity, depression, alcohol use disorder
●薬物使用障害者の自殺
森田 展彰 岡坂 昌子
薬物使用と自殺の関連は,海外では多くの研究により示され,薬物使用障害の予防・介入は自殺対策の柱になっているが,日本では薬物使用の問題は犯罪としてのみ捉えられ,治療対象として考えない見方が,一般市民のみでなく精神医療者にも広がっており,十分な対処が行われてこなかった。しかし,最近行われた日本の薬物依存者の自殺行動の調査の結果から,その自殺念慮,自殺企図がきわめて高率に生じていることが確かめられた。また,2009年10月31日に出された厚生労働省の自殺対策の加速化プランにおいて薬物依存が対応すべき疾患として挙げられたことから,あらためて薬物依存や合併症としての自殺への対策を考えるべき時がきているといえる。本論では,従来の知見をもとに薬物依存者における自殺の実態,薬物問題と自殺の結び付き,欧米での援助・治療についてまとめた上で,臨床家として薬物使用障害者の自殺にどのように対応すべきかというポイントを示した。
Key words:suicide, drug use disorder, risk factor, suicide prevention, intervention
●ギャンブル依存症(病的賭博)と自殺
田辺 等
ギャンブル依存症(病的賭博)は,ギャンブルへの強烈な精神依存のために多額の金銭損失があってもやめられず,治療的な対応がなければ,多重債務や高額な負債を伴うまで反復継続され,時に自殺という深刻な転帰をとることがある。自死遺族から聴取した自殺の転帰となった未治療のギャンブル依存症(病的賭博)の3事例と,未遂で治療に合流した1例の,自殺を考えるまでの心理的経過を報告し,ギャンブル依存症(病的賭博)と自殺の関連を検討した。
Key words:pathological gambling, suicide, suicidal ideation, case report
●触法精神障害者の自殺
村上 優
医療観察法が2005年に施行され触法精神障害者の社会復帰促進を目的として新しい精神科医療が展開している。医療観察法処遇中の自殺は法律が施行されて4年を経た2009年3月までに入院中が3人,通院処遇中の自殺は9人と推察される。精神病状態で殺人などの激しい暴力がある場合,その精神内界には自らの存在を脅かす不安や恐怖,葛藤が大きく存在する。自己か他者に向かって二分される暴力性や衝動性が存在する。自殺を前提とした行為が他害行為となる場合に,自殺を図る目的での放火や,拡大自殺として家族を巻き込む殺人がある。自殺対策として第1に触法精神障害者の自殺リスクは再他害行為をいかに防止するか,第2に触法行為と疾病への理解や内省の進め方,第3に精神疾患の早期介入が自殺を減らし触法行為を減らす,第4に自殺のサインを細かく調べ,自殺企図の可能性を念頭に置いて援助をすることである。
Key words:mentally disordered offenders, suicide, violence, homicide, risk assessment
●リストカッターの自殺
松本 俊彦
2000年にカリスマ的リストカッターである「南条あや」の遺稿集『卒業式まで死にません』が刊行されて以降,精神科臨床の現場でリストカットを繰り返す自傷患者と遭遇することが急激に増えた。このような自傷患者のなかには,処方薬の過量服薬を繰り返す者も少なくなく,救急医療の現場では過量服薬患者が問題となっている。リストカットなどの自傷行為は,その行為だけを見れば自殺企図と峻別されるが,長期的には重要な自殺のリスク要因であり,援助の対象とすべき問題である。しかし,わが国の精神科医療者のなかでは,リストカットや過量服薬を繰り返す患者に対する否定的な感情を持ち,近年の自殺対策のなかでかかりつけ医から精神科医への紹介促進の動きとは裏腹に,いまもって援助に忌避的な者も少なくない。本稿では,リストカッターにおける自殺のリスク要因について論じるとともに,彼らをめぐる今日の精神科医療の問題点を指摘した。
Key words:self─injury, wrist─cutting, suicide, risk factor
●性同一性障害と自殺
針間 克己 石丸径一郎
2008年4月1日から2009年11月13日までに,はりまメンタルクリニックを受診した性同一性障害者1,138名の自殺関連事象を調査した。自殺念慮は62.0%,自殺企図は10.8%,自傷行為は16.1%,過量服薬は7.9%にその経験があった。自殺関連事象の経験は思春期にピークを迎えていた。自殺関連事象の心理社会的要因としては,典型的な性役割とは異なる行動をとることや同性への性指向を持つことによるいじめ,社会や家族からの孤立感,思春期に日々変化していく身体への違和,失恋により性同一性障害であるという現実をつきつけられること,世間の抱く性同一性障害者に対する偏見や誤ったイメージを自らも持つ「内在化したトランスフォビア」,「死ねば,来世では望みの性別に生まれ変われるのでは」という願望,生きている実感の欠落・無価値感,身体治療への障害,将来への絶望感などがある。精神科医は,性同一性障害者が孤立,絶望,無価値感から脱し,将来に希望が持てるように援助するべきである。
Key words:gender identity disorder, transsexual, suicide, self injury, sexual minority
●向精神薬療法と自殺リスク
宮岡 等
向精神薬療法と自殺リスクの関係について,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を中心に歴史や日本における添付文書の概要,薬物療法に関係する面接や精神療法上の問題などを述べた。SSRIによる自殺リスク上昇のエビデンスを求めるだけでなく,抗うつ薬療法が対象とする患者の広がり,抗うつ薬を処方する医師の広がり,薬物の評価,新薬の評価などが慎重に検討されるべきと思われた。自殺リスクに関係する問題の解決には,個々の症例で,自殺リスクを含めた有害事象の可能性に優る効果が期待できるかを適切に評価することが重要である。
Key words:selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI), suicide, psychopharmacotherapy, drug lag, placebo effect
■研究報告
●人生グラフテストの開発
東 知幸
本論文の目的は,人生における浮き沈みを被検者に図示してもらう人生グラフ技法を,精神的健康度を測る心理テストとして開発することであり,第一段階としてGHQ─12との併存的妥当性を調査する。まずテスト用紙の規格を定めて人生グラフテスト(Life
Graph Test:LGT)と名づけた。そして,精神神経科初診患者166名(男性56名,女性110名;年齢18~67歳)にLGTとGHQ─12を実施した。LGTは0歳時のグラフの高さ(生高),現在の年齢でのグラフの高さ(現高),グラフの面積の比率(面率)の3つの観点から数量化した。LGTの現高はGHQ─12と中等度の相関(rs=-0.37)があり,併存的妥当性を支持する結果が得られた。一方,面率は弱い相関(rs=-0.11)しかなく,生高はほぼ無相関(rs=0.03)であった。LGTは被検者の人生史だけでなく,精神的健康度をも知ることができる可能性が示された。
Key words: life graph test (LGT), GHQ─12, concurrent validity
■臨床経験
●水中毒により神経遮断薬性悪性症候群様状態を呈した統合失調症の1例
笠貫 浩史 馬場 元 稲葉 真樹 新井 平伊
神経遮断薬性悪性症候群は広く知られた概念であるが,複数の診断基準が存在し,その解釈については必ずしも一様でない。今回水中毒に伴う意識障害に引き続き,発熱および多彩な自律神経症状を伴う神経遮断薬性悪性症候群様状態を呈した1例を経験した。神経遮断薬性悪性症候群に準じた治療で良好な臨床経過を辿ったが,その病態の理解に関してはなお一考を要した。自験例を呈示するとともに,水中毒をはじめとした低ナトリウム血症と神経遮断薬性悪性症候群様状態との関係について若干の考察をした。
Key words:neuroleptic malignant syndrome, water intoxication, hyponatremia
●甲状腺ホルモン補充療法が奏効した非定型精神病の1例
山本 健治 木村 光隆 塚本 壇 風間 洋輔 山川 友子 齋藤 諭 齋藤 利和
今回,我々は軽微な意識混濁が持続し,治療に抵抗性をきたした非定型精神病を経験した。症例は34歳女性。20歳前後から軽度の抑うつを呈し,31歳時に身体表現性障害として加療された後に,意識混濁を伴う躁状態,幻覚妄想状態を周期的に繰り返した。熱中性の病前性格,急激で突発の発症,心理的な誘因の関与,病像の中心が意識混濁を伴った易怒性や浮動的で非系統的な幻覚妄想であるなどの経過から非定型精神病と診断した。精神病症状の顕在後は,再発を繰り返した。治療に抵抗性で,人格水準低下をきたす遷延経過例と考えたが,甲状腺ホルモンの補充療法で劇的に改善した。また,本症例は当初,寛解期とみなした時期でも,微細な意識混濁が持続していたことが特徴的だった。一方,山田が甲状腺ホルモンの奏効しやすい非定型群について述べているが,本例のように「微細な意識混濁が持続する例」を甲状腺ホルモン補充療法の適応例に追加する余地があると考えた。加えて,甲状腺ホルモンの作用機序について,非定型精神病の意識の病理に着目し,特に生体リズム是正の視点から考察した。
Key words:atypical psychosis, thyroid hormone, melatonin, TRH, prolactin
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