星和書店
こころのマガジン
Vol.44 2006.9
  • 不安をテーマにしたフェア
    現在、紀伊国屋新宿本店さんの5F心理コーナーにて“不安”をテーマにしたフェアが開催中です。弊社「【こころのりんしょうアラカルト】25巻3号」不安障害の特集号をはじめ、他社商品も多く揃っています。お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りください。
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★ 侵入思考
雑念はどのように病理へと発展するのか
デイビッド・A・クラーク著
丹野義彦 訳・監訳/杉浦義典、小堀修、山崎修道、高瀬千尋 訳
A5判 上製 398頁
侵入思考
定価2,940円

本書は、意思とは無関係に生じる侵入的な思考が心理的障害に果たす役割について論じた初の書である。侵入思考が、強迫性障害、外傷後ストレス障害、うつ病、全般性不安障害、不眠症など、数多くの心理的障害の重要な認知的特徴であることを示すエビデンスが得られつつあるいま、本書は、今後研究の進展が予想されるこの分野への扉を開くものである。

★ 認知療法2006
第5回 日本認知療法学会から
貝谷久宣 編
A5判 並製 128頁
認知療法2006
定価2,730円

科学としての認知療法の可能性を、脳科学の最新の知見から考察する。認知療法的介入が、いかに脳・神経基盤に影響を及ぼすか? また、それが、症状の改善や効果の発現とどのような関係にあるのか? 新進気鋭の著者らが、脳科学をもとに、認知療法的介入が、統合失調症、うつ病、強迫性障害、パニック障害などにどう影響を及ぼすかについて、研究成果を紹介。併せて、編者が独自に提起する「パニック性不安うつ病」に対する認知療法的介入についての詳細な講演内容を収録する。

★ 認知療法全技法ガイド
対話とツールによる臨床実践のために
ロバート・L・リーヒイ 著
伊藤絵美、佐藤美奈子 訳
A5判 並製 616頁
認知療法全技法ガイド
定価4,620円

『いやな気分よ、さようなら』が“セラピストにも役立つ当事者のための書物”だとすれば、本書は“当事者にも役立つセラピスト向けの書物”と言える。本書で紹介されている数多くの技法は、治療者にとってはすぐに利用可能で、認知療法のレパートリーを増やしてくれるものであり、当事者にとっても、セルフヘルプのための考え方や方法を提供してくれる。各技法に解説、対話例、問題点、そしてツールがつき、日常での利用価値が高いアイディア満載の良書である。

★ 統合失調症の早期発見と認知療法
発症リスクの高い状態への治療的アプローチ
Paul French、Anthony P. Morrison 著
松本和紀、宮腰哲生 訳
A5判 並製 196頁
自閉症と発達障害研究の進歩 2006/Vol.10 特集:諸領域の最新の展望
定価2,730円

統合失調症の予防は、可能か? この障害の発症リスクの高い人々へ認知療法に基づいた心理学的な早期介入を行うことが、きわめて重要となる。副作用の面、治療の受け入れやすさの面からも、薬物療法に代わる第一選択肢として効果が期待され、現在、予防医学の観点からもその必要性が言われている。本書では、早期介入における認知療法の適用について、理論的根拠と豊富な事例をもとに、臨床家にわかりやすく解説した初めての実践的ガイドライン。

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★ 〈気〉の心理臨床入門 黒木賢一 著
四六判 上製 264頁
〈気〉の心理臨床入門
定価2,835円

西洋近代の臨床心理学は、こころと身体を分けてこころの構造とそのメカニズムを探求してきた。この心身二元論に影響を受けてきた私たちは、身体を置き去りにして、心理臨床を行ってきたのではないだろうか。臨床の場で、クライアントはこころの悩みを語ると共に、様々な身体症状を訴える。臨床家なら、誰もが身体の症状の訴えは姿を変えたこころの有りようであることを経験的に知っている。東洋思想には、自然の中に人が存在し、人の中に自然が存在するという「天人相関」の考え方や、こころと身体は一つであるという「心身一如」の視座がある。

筆者はこのような東洋の世界観から、西洋近代の二元論を超える新たな心理臨床を見いだすことの必要性を痛感している。東洋思想の奥に潜む「気」をキーワードに、自文化に根ざした心理臨床のあり方を試みた画期的な書。

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 雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価3,024円
★ 月刊 精神科治療学 第21巻9号
【特集】攻撃性と衝動性の評価と治療 II
前号に続き,攻撃性と衝動性を特集。本号では攻撃性と衝動性の薬物療法,各精神疾患における攻撃性と衝動性への対処について,病院での暴力とリスクマネージメントについて詳しく取り上げた。
臨床精神薬理
定価3,045円
★ 月刊 臨床精神薬理 第9巻10号
【特集】不眠症薬物療法の問題点とその対策
日本人のおよそ5人に1人は不眠に悩んでおり、一方では、睡眠薬の乱用・依存、OTC薬(Over The Counter薬:薬局で買える一般用医薬品)による問題も明らかとなっている。新しい睡眠薬の開発についても取り上げ、不眠症の薬物療法に関する最新の情報を特集した。
季刊 こころのりんしょうa・la・carte
定価1,680円
★ 季刊 こころのりんしょうa・la・carte
【特集】不安障害
パニック障害、広場恐怖、強迫性障害などに代表される不安障害の症状や原因、治療法などについて、Q&A形式でわかりやすく解説。また、実際の臨床で薬物処方がどう行われ、認知行動療法、森田療法、精神分析的精神療法などの心理的アプローチがどのように実施されているのか、などについて詳しく解説する。
精神科治療学 第21巻増刊号 症状性(器質性)精神障害の治療ガイドライン
定価6,195円
★ 精神科治療学 第21巻増刊号
症状性(器質性)精神障害の治療ガイドライン
本増刊号は、症状性(器質性)精神障害を広く網羅した辞書的な治療ガイドラインである。症状性精神障害(何らかの外因によって精神症状が引き起こされる病態)と器質性精神障害(脳そのものの変性に疾病が由来する場合(アルツハイマー病など))の両方を含めた。ただし神経内科疾患は、頻度が高く精神科医がコンサルトされる可能性が高いもののみを取り上げた。現在、精神医療の第一線で活躍している執筆陣を揃え、現時点における最も充実した症状性(器質性)精神障害の治療ガイドラインとして、精神医療に従事するすべての方々に役立つ。
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物忘れを防ぐには?

季刊 こころのりんしょうa・la・carte
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同時通訳、通訳、編集、校正

年取ってきたせいか、通訳を頼まれると、かなり厳しい状況になります。若いときは、外人の方が5分くらい話しては、その内容を通訳し、また次に進んでいけました。ところが、最近では、いざ、通訳をしようとすると、最初のほうの文脈を思い出せなくなります。そこで、外人の方に非常に短い時間で区切ってもらうという羽目になってしまいます。また、お話になっているご当人も、こちらが通訳をやっている間、文脈を記憶していて次に進むのですが、前の文脈を、あれ、と言う感じで思い出せなくなることがあるようです。人と話していて、電話で中断されたりすると、あれ、さっき何を話していたのかな、というのと同じですね。

どちらかというと同時通訳のほうが、中年向きです。通訳では、内容を把握しながらわかりやすいように翻訳していきます。何を言いたいのかを伝えていかなければなりません。同時通訳の場合は、その場その場考えずに進んでいきます。何しろ、内容を考えているひまがありません。間違っていても間違いも訂正できませんし、よくわからなくても、適当につないで、最後に、ヤア、とばかりに何か言葉を入れて、なんとなくつじつまを合わせます。最近、外国の先生のご講演がときどきあり、その講演を日本語の原稿にすることがたびたびあります。その場合、同時通訳の日本語をテープ起こししてみても、ほとんど使えません。英語をテープ起こしして、それを翻訳しなければなりません。

出版をする場合、編集者は、お原稿を読み、内容を吟味し、どのようなレイアウトにしようかと考えていきます。文脈を把握していくわけです。その原稿を印刷物になるようにまず初めに文字組みをします。これを初校ゲラと呼んでいます。この初校ゲラを校正するときは、文章を読んではいません。読んでいないというと変ですが、お原稿が正確に組まれているか文字面を見ていると言った方がいいです。読んでいると、間違いに気づかないことがあります。例えば「間違いに気づかいない」となっていても、それに気づかないことがあります。文字面を見ていれば、気づくものです。ですので校正をするときは、内容は頭にのこらない、というのが正解で、内容がよくわかったということですと、それは問題です。出版社では、内容を考えながら読む作業と、文字組をよく見ていく校正作業とを、交互にしていきます。

こう考えてきますと、内容や文意を理解しながら進めるという点で、通訳と編集作業は似ていますし、文意を取らずに進めると言う点で校正と同時通訳は似ている気がします。
当社から、メモリードクターと言う本が出ています。それによりますと、最初に記憶するときの記憶の仕方が、大変重要だそうです。最近では、記憶力のトレーニングの本やソフトがよく売れているようです。これも、高齢化社会になってきたからでしょうか。


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