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星和書店
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自閉症:ありのままに生きる

3月初旬発売予定
自閉症:ありのままに生きる

未知なる心に寄り添い未知ではない心に

ロイ・リチャード・グリンカー 著
神尾陽子、黒田美保 監訳
佐藤美奈子 訳

四六判 上製 612頁
ISBN978-4-7911-0927-2〔2016〕
本体価格 3,300 円 + 税

文化人類学者であり自閉症の娘をもつ著者が、混沌とした自閉症の世界を巡り歩く。何が真実で、何が虚像なのか。グローバルな視点で分析され導き出された自閉症の定義や解釈が本書に結実。

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精神科・心療内科にかかる前に読む本

精神科・心療内科にかかる前に読む本

精神科医が患者さんの目線で書いた物語

中山靜一 著

四六判 並製 248頁
ISBN978-4-7911-0925-8〔2016〕
本体価格 1,600 円 + 税

精神科や心療内科を受診すると、どんなふうに面接や治療が進むのか? 面接の様子が患者さんの目線からテンポよい会話文で書き表され、受診してからの経過がよく分かる。病気の解説も分かりやすい。

EMDR革命:脳を刺激しトラウマを癒す奇跡の心理療法

EMDR革命:
脳を刺激しトラウマを癒す奇跡の心理療法

《電子書籍版》

生きづらさや心身の苦悩からの解放

タル・クロイトル 著 市井雅哉 訳

本体価格 1,500 円 + 税

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSDや心身の治療に用いられる新しい心理療法。短期間で著効をもたらし、患者のストレスも少ない。EMDRに情熱を傾ける著者がその魅力を紹介。



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精神科治療学
本体価格  
2,880
円+税
月刊 精神科治療学 第31巻2号

特集:認知療法・認知行動療法の広がり

実践の場がますます広がる認知行動療法!看護師による認知行動療法の保険収載も間近い。医療現場で認知行動療法がより利用しやすくなると期待される。本特集では学校教育や運動選手のトレーニング、司法関連機関における矯正教育、さらには就労支援や被災者支援などさまざまな現場での実践を紹介。認知行動療法の可能性と課題を探る。これから実践する際に役立つ情報が満載。
JANコード:4910156070269

臨床精神薬理
本体価格   
2,900
円+税
月刊 臨床精神薬理 第19巻3号

特集: 精神科薬物治療におけるゴール,そして終結は

精神科における治療のゴールとは何か? 治療をどのように終結させるのか。本特集では、統合失調症、双極性障害、強迫症、パニック症、注意欠如多動症、認知症、てんかんについて、各疾患の治療ゴールと、そこに薬物治療はどのように関わるのか、そしてゴールに到達した後、薬物治療をどのように終結していくか、第一線で活躍する専門家が概説!
ISBN:978-4-7911-5220-9

精神科臨床サービス
本体価格   
2,200 +税
季刊 精神科臨床サービス 第16巻1号

特集:これでいいのか うつ病治療:どうしたらいい よくならない抑うつ症状 I

うつ病治療の行き詰まりを乗り越える手がかり──。よくならない抑うつ症状・遷延化したうつ病は、臨床現場においてよく経験される病態である。うつ病治療のエキスパートによる座談会に続けて、様々な職種からみたよくならないうつ病の患者さんの特徴、診断や治療方針の再考のタイミングや考え方、長く続く抑うつ症状への治療や支援戦略、専門的治療などを数多くの事例紹介を通じて捉えなおしていく。また、よくならない抑うつ症状の実態や薬物療法をどのように行うか、診断や診立てをどうするかなど、基本的事項も詳細に解説。よくならない抑うつ症状改善のために、明日から活用できる治療的工夫などを示し、慢性、難治の抑うつ症状の攻略法を考える。
ISBN:978-4-7911-7161-3

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今月のコラム
ピアの視点
加藤伸輔

拙著『双極性障がい(躁うつ病)と共に生きる 病と上手につき合い幸せで楽しい人生をおくるコツ』の上梓を機に、コラム執筆のご依頼をいただきました。
 さて、何を書こうかと思いあぐねていたところ、とあるグループホーム世話人の求人がありました。知人の勧めもあり応募することにしました。必要書類に応募動機論文があります。今回はそれをご紹介しようかと思います。以下、その内容です。

***

日常生活面における相談、日常生活に必要な金銭出納に関する助言、服薬指導などの援助をすることで、利用者の方が自分らしく自立した生活を送れるようになることを目的とする通過型グループホームは、精神障がいのある方が地域社会で暮らしていくための第一歩として重要な場です。
 そのような場で、私自身が寛解に至るまでに乗り越えてきた困難や経験、様々なサービスを受けてきた経験、リカバリーへ向けての活動などを生かし、直接的に利用者の方と関わり合いながら、彼らのリカバリーのお役に立ちたいという強い思いから、応募いたしました。
 グループホームの世話人に応募した動機は具体的に3点あります。日常生活における工夫、傾聴による安定、ロールモデルです。

日常生活における工夫
 双極性障がいの私にとって症状を安定させるために薬は欠かせません。しかし薬だけで安定状態を保つことはできないことを経験的に学びました。
 日常生活のちょっとした工夫によって、私の病状は飛躍的に回復しました。
 例えば、生活リズムチェック表を記録し、客観的に自分を把握することで驚くほど状態が安定したのです。
 そのような些細ではあるが、実はとても効果のある工夫をピアの視点からお伝えしていきたいと思っております。
 世話人というと、とかく指導という形になりがちかもしれません。もちろん指導も大切です。それと同時に、自分自身の体験や経験をお伝えし受容と共感を大切にしながら、利用者の方のリカバリーに寄りそっていくことも大切にしていきたいです。

傾聴
 自分が回復するために、ピアに話を聴いてもらうことが大いに役立ちました。もちろん、専門職の方に話を聴いてもらいアドバイスをもらいたいこともたくさんあります。
 一方で、障がいのない方には言いづらい、あるいは理解してもらえないようなこともあります。例えば薬の副作用のことなど、ピアだからこそ共感しながら話を聴ける場面も多くあるかと思います。
 また、かつて行政書士・土地家屋調査士として多くの相談業務に携わってきました。その際、相手の立場になってじっくりと耳を傾けることで、相談者の問題としていることを自身で整理してもらうよう努めてきました。
 ピアとしての視点と経験から学んだ傾聴スキルを併せて、利用者の方の話に耳を傾け、何に困っていて、どのように乗り越えていくかを一緒に考えていきたいです。
 受容と共感を大切にし、相手のストレングスを見つけていく支援をしたいと考えております。

ロールモデル
 3年前、私はデイケアに通っていたのですが、障がいを抱えながら今後どうやって生きていこうかと思い悩んでいました。
 そんな中、「ピアサポート」という言葉に出会い、ピアスタッフという存在を知り、自分の障がいを弱みではなく強みにできないかと考えられるようになりました。
 障がいによるハンディキャップはあっても、自身の状態を上手にコントロールし且つそれまでの経験(ストレングス)を生かすことができれば、自分らしく精神的にも経済的にも自立した生活が送れることを証明していきたいと考えています。
 自分自身がロールモデルになり、一人でも多くのピアに希望をもって頂きたいです。

***

応募動機論文は以上です。ピアの視点から書き上げました。ピアサポート、ピアスタッフに関する私の思いが伝われば幸いです。
 はてさて、結果はいかに。それはまた別の機会に。

加藤伸輔(かとう しんすけ)
ピアサポートグループ在(ざい)を運営。双極性障がいと診断を受け、現在、積極的にピアサポート活動に取り組む。
著書『双極性障がい(躁うつ病)と共に生きる 病と上手につき合い幸せで楽しい人生をおくるコツ』(星和書店刊)
ピアサポートグループ在 http://zai-psg.jimdo.com
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