http://www.seiwa-pb.co.jp/htmlmail/141.html
星和書店
今月の新刊 next
自己変容をもたらすホールネスの実践

すばらしい子どもたち

成功する育児プログラム

キャロライン・ウェブスター-ストラットン 著
北村俊則 監訳
大橋優紀子、竹形みずき、土谷朋子、松長麻美 訳

A5判 並製 496頁
ISBN978-4-7911-0889-3〔2014〕
本体価格 3,200 円 + 税

子どもの心理状態に大きな影響を与えるのは、親の育児態度である。本書のプログラムを学ぶことで、親の育児態度が変化し、それにより子どもの行動に良い変化が生じてくる。成功する育児のためのヒントが満載。

臨床精神神経薬理学テキスト 改訂第3版

臨床精神神経薬理学テキスト 改訂第3版

日本臨床精神神経薬理学会専門医制度委員会 編

B5判 並製 536頁
ISBN978-4-7911-0891-6〔2014〕
本体価格 8,600 円 + 税

精神神経疾患に対する合理的薬物療法を科学的に追求する「臨床精神神経薬理学」の基本となる知識が満載されており、向精神薬を処方する医師や専門医取得を目指す医師にとって必携の書である。

心理療法の下ごしらえ

心理療法の下ごしらえ

患者の力の引き出し学

平井孝男 著

四六判 並製 512頁
ISBN978-4-7911-0890-9〔2014〕
本体価格 2,600 円 + 税

実用性と事例に重点を置き「具体的にどうしたらいいのか」「なぜこの働きかけが役に立つのか」等を逐語録と共にわかりやすく解説。従来の教科書では学べない、臨床の知恵にあふれた治療実践書。

内なる女性

内なる女性

女性性に関する精神分析的小論

ラファエル・E・ロペス‐コルヴォ 著
井上果子 監訳
飯野晴子、赤木里奈、山田一子 訳

四六判 上製 260頁
ISBN978-4-7911-0888-6〔2014〕
本体価格 2,500 円 + 税

精神分析学の視点から、女性の立場の変遷と展望を説く。罪を着せられてきた女性たちが、混乱の時代を経て、遠い未来には無実を立証され、偏見を克服し、自らの真の内的価値を見出すであろうと予言する。

おとなの発達症のための医療系支援のヒント

おとなの発達症のための
医療系支援のヒント

今村明 著

A5判 並製 240頁
ISBN978-4-7911-0887-9〔2014〕
本体価格 2,800 円 + 税

長崎大学大学院精神神経科学の准教授・今村明は、「発達症担当」という立場にあり、多くの発達症の人を支援してきた。本書は、発達症の診療を始める医師や臨床心理士に読んでもらいたい著者手作りの覚書。

   雑誌の最新号 next
精神科治療学
本体価格  
2,880
円+税
月刊 精神科治療学 第29巻11号

特集:その患者に睡眠薬は必要か―眠れないという訴えにどう対処するか―

不眠を訴える患者をいかに適切に診立てるか?必ずしも医療を必要としない不眠の訴えがある一方、社会の夜型化により睡眠環境が悪化しており、一般精神科医も適切な不眠治療が求められている。本特集では、高齢者、若年者、気分障害、急性精神病状態、せん妄、概日リズム睡眠-覚醒障害の不眠への対応、睡眠衛生指導の新12箇条、認知行動療法の利用、さらに個別の薬剤(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、抗精神病薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、ramelteon、suvolexantなど)について解説した。睡眠薬の投与前にやるべき多くのことがあること、しかしいざ投与する場合にはどのようにすればよいかという両方のノウハウが学べる特集。
JANコード:4910156071143

臨床精神薬理
本体価格   
2,900
円+税
月刊 臨床精神薬理 第17巻12号

特集: 治療抵抗性統合失調症への挑戦

いくつかの抗精神病薬を十分な期間・量投薬しても改善が認められない治療抵抗性の統合失調症について、現時点でどのように理解し、対応したらよいのか、また今後の可能性などについて、第一線の研究者が詳述する。過感受性、グルタミン酸仮説、カルボニルストレス、抑肝散、バイオマーカー探索、脳画像、動物モデル、エピゲノム解析、それぞれの視点から解説した特集。
ISBN:978-4-7911-5206-3

精神科臨床サービス
本体価格   
2,200 +税
季刊 精神科臨床サービス 第14巻4号

特集:成人の発達障害を支援するI I

今、再び、発達障害について学ぶ。実りある支援をするために。現在、成人の発達障害が疑われるケースが急速に増えてきている。しかし、発達障害の患者を積極的に受け入れる医療機関はまだ少ない。社会の発達障害に対する理解を得る活動とともに、発達障害者の支援ができる専門家を増やしていくことが現実的課題となっている。特集IIでは、成人の発達障害に対する支援や対応の仕方を具体的なアイデアやヒントにそって分かりやすく解説。発達障害の人との付き合い方、就学や職業生活における工夫、外来治療の進め方、デイケアトレーニングの試み、発達障害支援センターの上手な利用方法など役立つ情報が満載。
ISBN:978-4-7911-7156-9

今月のコラム
今月のコラム
おとなの発達症

―支援の輪が広がることを願って―

 長崎大学 今村明

この度、『おとなの発達症のための医療系支援のヒント』という本を上梓させていただきました。この本を書きだしてから2年以上の時間がかかってしまいましたが、無事に出版することができ、関係者の皆様に大変感謝いたしております。
 この本を書こうと思ったのは、数年前から私の外来が発達症(発達障害)の方が増え、どこでもそうだと思いますが、発達症を診る病院が少ないために、予約がいっぱいとなり、長い期間待たなければいけないという事態に陥ったためでした。発達症としての診断・支援を求める人は限りなく多く、自分一人で診ていくには限界がありますが、かといって新患をどんどんとると一人あたりの診察時間が減り、診療の質も下がってしまいます。「発達症はよくわからないので」という理由で、その可能性のある受診者を敬遠する医療関係者もいると思います。そのため、これまで発達症を診ることが少なかった医療関係者(主として精神科医や心理士)が、発達症のことを理解し、発達症の人を支援していくために役立つ本をつくりたい、と考えたのです。

まずは診断ですが、発達症の診断のためには、発達歴の取り方が大事です。当院(長崎大学病院)では新患の予診を研修医がとることになっていますが、発達歴を十分尋ねるようにと事前に説明をしていても「1歳半、3歳時健診で異常なし」と書かれているだけであったり、くびの座り、つかまり立ち、一人歩きなど、身体的な発達のみを記載してあったりして、発達症の診断に必要な、社会的コミュニケーションや衝動性のコントロールなどの発達については、具体的にはどのような質問をしたらいいのかわからないようでした。そのため、『おとなの発達症のための医療系支援のヒント』では、必要最低限の発達歴の聴取のための質問例を表にしてCD-ROMに入れました。またウェクスラー式知能検査に関しては、その結果である数値のみを診断の参考とするのではなく、様々な課題を行っている間に浮かび上がる発達症特性を評価して診断とその後の支援計画作成に活かしていくべき、ということを、よこはま発達クリニックのセミナーで学び、心理士さんたちがそのような視点で検査所見を書きやすいように、WAIS-IIIで発達症の行動特性を評価するチェック表を入れました。
 本書では、診断名の告知に関しては、吉田友子先生のご著書を参考にさせていただき、発達症によってもたらされる問題だけではなく、ポジティブな面も含めて、スライドを使って視覚的に伝える方法を紹介しました。このような形で診断名告知を行うと、その後の支援や治療的かかわりへの移行がうまくいくことが多いと感じています。
 また支援計画作成のためのワークシートも本書付属CD-ROMに入れています。それぞれの「症状」に対して、決して十分とは言えませんが、私が行っている「対策」を対応させています。ワークシートに関しては、各病院・施設によってできることとできないことがあると思いますので、それぞれの事情に合わせて変更していただき、活用していただければと思います。もちろんそれ以外も、このCD-ROMの内容は自由に変更して使用していただければと思います。

発達症がスペクトラム(連続体)である以上、どうしてもグレイゾーン、パステルゾーンと言える状態が存在します。障害の程度は比較的軽くても理解してもらえない苦悩は重い人たちがいるわけです。そのような人たちにも支援が必要だと考える医療関係者が増えていくことを願います。この本が少しでも、これから発達症を診ていこうと考える医療関係者の方々に役立てば、と思います。ひいては、これまで支援が受けられなかったたくさんの発達症あるいは境界域の方に、必要な支援が届くようになれば、と考えております。


訂正とお詫び
『おとなの発達症のための医療系支援のヒント』巻末の文献(p.215の文献番号29)において、下記の箇所に誤りがありました。
【誤】吉田友子(著)『自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方(ヒューマンケアブックス)』中央法規出版,2005.
【正】吉田友子(著)『自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方―診断説明・告知マニュアル』学研教育出版,2011.
また、参考図書として、
ローナ・ウィング(監修),吉田友子(著)『あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド』,中央法規出版,2005.
も挙げさせていただきます。
深くお詫びいたしますとともに、謹んで訂正いたします。


今村明先生の本、好評発売中

おとなの発達症のための医療系支援のヒント
(今村明 著)

配信停止希望