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星和書店
今月の新刊 next
子ども虐待としてのDV

子ども虐待としてのDV

母親と子どもへの心理臨床的援助のために

春原由紀 編著
武蔵野大学心理臨床センター子ども相談部門 著
A5判 並製 236頁
ISBN978-4-7911-0795-7〔2011〕
定価2,730円(本体2,600円)

家庭という閉ざされた空間のなかで、子ども虐待の背後にDVが、DVの背後には虐待が複雑に絡み合い、潜在している状況があるが、DVに曝される子どもたちは支援のはざまで置き去りにされている。本書では、DVのある家庭で起きている暴力と支配の関係性をとらえ、子どもが被るさまざまな影響を理解する。そして、子どもと母親、母子関係への包括的な援助をめざす、画期的な心理臨床アプローチを提示する。

不安もパニックも、さようなら

不安もパニックも、さようなら

不安障害の認知行動療法:
薬を使うことなくあなたの人生を変化させるために

デビッド・D・バーンズ 著
野村総一郎、中島美鈴 監修・監訳
林 建郎 訳
四六判 並製 784頁
ISBN978-4-7911-0796-4〔2011〕
定価3,780円(本体3,600円)

不安は、現実から生じてきたものではなく、私たちの否定的な考えから生じてきていると著者バーンズ博士は言う。うつ病の治療法として発展してきた認知行動療法は、不安障害に対しても極めて効果的なことが分かってきた。しかし不安に的を絞り、一般の人でも読める認知行動療法の本は皆無であった。
バーンズ博士は、薬を飲むことなく不安や怖れを取り除く40の強力な抗不安技法を紹介する。その中から読者にとって最適な技法はどれかを分かりやすく示してくれる。

  雑誌の最新号 next
精神科治療学
定価 3,024
月刊 精神科治療学 第26巻12号

特集:脳の機能と統合失調症―新たな診断と治療への展望― II

前号に引き続き、統合失調症の生物学的研究の最新知見をやさしく網羅し、臨床に直結する脳機能研究を俯瞰。今号では、抗精神病薬の副作用の予測因子、薬理遺伝、グルタミン酸仮説、新規抗精神病薬開発の方向性、認知矯正療法、評価尺度や脳画像研究を用いた認知機能の評価、プレパルス抑制障害、LORETA解析、脳脊髄(CSF)からみた統合失調症のアミン代謝、神経幹細胞、ミクログリア、死後脳研究、カルボニルストレスを取り上げた。統合失調症の生物学的研究への理解を深めるための特集。

臨床精神薬理
定価 3,045
月刊 臨床精神薬理 第15巻1号

特集:Memantineのすべて

ドネペジルやガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬とは薬理作用の異なるNMDA受容体拮抗薬であるメマンチンのすべてを紹介。認知症治療ガイドラインにおける位置づけ、開発経緯、作用機序、臨床データ、安全性などを網羅。特に併用療法において力を発揮するメマンチンは、認知機能、ADL、全般症状、行動心理症状に大きい改善が期待できる。
ISBN:978-4-7911-5171-4

こころのりんしょう à·la·carte
定価 1,680
季刊 こころのりんしょう à·la·carte 第30巻4号

特集:ブレインジム

ブレインジムは、心身システムと脳の働きの調整を助ける安全で簡単なエクササイズ。本特集でも紹介するエクササイズ群は、誰でも即座に学ぶことができ効果を体感できる。学習障害などの治療から始まったブレインジムは、いま精神科領域でもさまざまな応用がなされてきており、本特集では、精神科病院やクリニック、福祉施設での実践について詳しく紹介する。PTSD、統合失調症、発達障害、不安障害などさまざまな疾患に対する身体療法の可能性を示唆する画期的内容。
ISBN:978-4-7911-6064-8

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こころのマガジン
臨床心理士 あや先生のコラム 
Vol.13 宇宙旅行?!に行ってきました♪

前回のコラムで少しお話ししましたが、先日、ちょっとそこまで宇宙旅行に行ってきました(笑)。いえ、実際には、変性意識状態になって、宇宙意識と同調する、というモンロー研究所のプログラムを受けてきました。
 ヘミシンクを使って様々な体験ができるプログラムが、モンロー研究所ではいくつも開催されていて、初めに受ける入門コースはゲートウェイ・ヴォエッジといいます。そのとき信じられないようなおもしろい経験ができたので、すっかりヘミシンクにはまってしまい、それから毎年プログラムを受講しています。ゲートウェイ・ヴォエッジの次はライフラインという死後体験?!コース、その次はエクスプロレーション27、スターラインズと進み、今回スターラインズIIというプログラムを受けました。
 ちなみに、スターラインズは天文学のレクチャーを受けながら、太陽系の惑星を巡ったり、乙女座銀河団やプレアデス、オリオン座へ行ってみたり、というまさに宇宙旅行という内容なのですが、今回のスターラインズIIは、形而上学や現代物理学のレクチャーを受けながら、自己の内面へ深く深く入っていくような内容でした。そしてプログラムが進むほどに、ユングの言う集合無意識に近づいていくように感じました。

開催された場所は、小淵沢にあるルラシュというマクロビオティックで有名な会員制ウェルネスリゾートです。モンロー研究所からフランシーン・キングさんというファシリテーターが来てくれました。フランシーンさんは、普段は心理士としても活躍されています。参加者は22名。前回受けたスターラインズでご一緒した方も多く、初日から和気あいあいとした雰囲気で始まりました。
 聞いたことがある方とそうでない方がいらっしゃると思いますが、2012年はアセンション、人類の意識が次元上昇する年と言われていて、スターラインズIIは、それに向けた内容になっています。
 もう少し具体的な、今回のプログラムの目的の1つは「本来の自分の姿を思い出す」ことでした。フランシーンさんが言うには「私たちはみんな偉大なクリエイターなんですよ。世界を作ることだってできるんです」とのことなのですが……。
 本来の自分の姿? 本来の自分??? 実は、プログラムが進むにつれて、真面目に「私は誰? ここはどこ?」状態になっていきました(笑)。
 普段私たちが意識できる自分はごくごく一部です。心理学のテキストにある氷山の絵のように、海面から出ている部分、すなわち意識はほんのちょっとで、海面下には広大な無意識が存在します。いったいどこまで自分なんでしょう? それこそ集合無意識とつながっていることを考えたら……?

それに関して、フォーカス49と呼ばれる意識状態になるセッションで、次のようなメッセージを受け取りました。「私たちは個でもあり、全体でもあるんだよ。全てつながっている。そして全てが1つとも言える。だから世界は自分の投影だと見ればいい」。また、私が今認識しているこの世界は海の表面(海面)で、上には広い空、下には深い海が広がっているというイメージも見えました。
 相手は自分を映す鏡、ということは聞いたことがありますが、世界まるごと自分の投影??? とはいえ、それもどこまでを自分ととらえるかという問題に立ち返ります。うーん、なんだか禅問答をしている気分になってきます。
 このように、どういう意味だろう?と頭で考えるとよくわからないのですが、なぜか「自分は肉体を超えたもっともっと大きな存在である」「どうも全てつながっているようだ」という実感は持てました。そして「ただ在る」「『今』がある」というような感覚も……。
 この感覚のもとになった体験は、前回受けたスターラインズの話をした方が、わかりやすいかもしれません。

銀河系の中心へ入っていくというセッションの時のことです。宇宙の果てまで来たはずなのに、なぜか神社の鳥居がイメージされました。なぜこんな所まで来て鳥居?と思ったのですが、ひとまずそこを入っていきます。するとプールにあるウォータースライダーのような感じでチューブを通っていく感覚がして、クリームのようになめらかな砂がたくさんある場所に着きました。どうも鳥居とチューブに象徴されたのは「参道=産道」だったようです。そのようにヘミシンク中の体験は、自分にとってわかりやすいイメージで把握されます。そして産道を通っていった先にあった砂は、箱庭療法で使う砂のように感じられました。つまり創造の源や、無意識領域の象徴です。また、その砂は、私の全ての経験の象徴でもありました。経験がずっとそこに貯蔵されていくようでした。宇宙の果てまで行ったつもりが、自分の内面のとても深い所に着いてしまった。このことで、人体は小宇宙と言われること、宇宙と集合無意識について、自分と世界についてなど、どんどん連想が広がりました。そして広がるうちに「私は誰? ここはどこ?」になってしまったのですが(笑)。そのように考え出したらわからなくなってしまいますが、「どうも自分は肉体を超えたもっともっと大きな存在のようだ」「どうも全てつながっているようだ」という実感は残りました。
 河合隼雄さんがある本で、考えたらそうは思えないことも、夢を見ることで「ああそうだったのか!」と実感することがあるという話をされていましたが、ヘミシンク体験もそんな感じだと思います。考えたらわからないけれど、でも確かにこう感じたという実感があって、なぜか腑に落ちるのです。

私はもともと、死んだらどうなるんだろう? 死って何だろう?という疑問から、ヘミシンクを知りました。そしてヘミシンク体験を通じて、今ここも、死後の世界もつながっていると感じるようになりました。瀬戸内寂聴さんが、死ぬことを、襖を開けて隣の部屋に行くような感じと言っていたように思いますが、まさにそんな感覚です。体はこの世に縛られますが、意識はどこまでもつながっています。今回行った宇宙や、もしかしてもっと先まで……。
 まだまだわからないことばかりですが、今後も探索を続けたいと思います。
 果たして2012年はどんな年になるんでしょう? 何が起こるかワクワクします♪
 新しい年が、みなさまにとってすばらしい年になりますように(^^)

(尾方 文)

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